ジャガイモ品種「エスペランサ ローハ」

(1)来 歴
 十勝農協連が北海道農試より入手した野生種(品種名不詳)の自然結果実生に、平成2年「インカの星」を交配した系統のから選抜を加え、平成4年に特性が安定していることを確認して育成を完了したものです。
平成9年3月種苗登録されました。鑑賞用を目的とした品種であり、エスペランサ(esperanza)はスペイン語で「希望」、ローハ(roja)は「赤色」の意です。
(2)地上部特性
 幼芽の色は赤紫、葉色は緑、頂小葉の形はやや細、大きさは小、小葉の形はやや細く、かなり小さい。
草型はやや直立、茎の長さはやや長、太さはやや細い。茎翼は直。茎色は緑で赤の斑点が入り、分枝数は多い。花の大きさは中、花色は赤紫系(JHSカラーチャート8907)。
やくの色は黄橙。花冠の形は鈍角。花柱は高い。
(3)地下部特性
 個重型・個数型の別は中間型。ふく枝は極短い。いもは「インカの星」より長く、倒卵形。皮色は赤で、目周囲及び斑紋に黄褐が入っている。表皮の粗滑は中、目の数は中、深浅はやや深い。肉色は黄で、輪状に紫が入る。

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左:「エスペランサ ローハ」の花。右:その花畑(写真提供:十勝農業協同組合連合会)。

ジャガイモ品種「エスペランサ ビオレータ」

(1)来 歴
 この品種は,十勝農協連で、北海道農業試験場から入手した野生種(品種不詳)の自然結果種子に小粒種間雑種「インカの星」を交配した中から選抜,平成9年(1997)3月種苗登録され、平成16年(2004)3月になり取り消した観賞用品種です。
 エスペランサ(esperanza)はスペイン語で「希望」、ビオレータ(violeta)は「スミレ色」の意です。
(2)地上部特性
 叢性はやや直立型幼芽の色は赤紫,太さはやや太,茎の長さは短,太さは中,茎翼は波,茎色は緑で赤紫の斑紋が入り,分枝数は多です。
 萌芽時の葉色は紫,葉色は濃緑,頂小葉の形はやや細,大きさはやや小,小葉の形は中間,大きさは小です。花の数は極多,がくの色は帯赤,花の大きさはやや大,花冠の形はやや鈍角,花色は鮮青味紫(JHSカラーチャート8306)で,葯の色は黄,葯群の形は正常,花柱の長短は高です。
(3)地下部特性
 ふく枝の長さは極長,いもの長短は極長,形は長楕円形,皮色は黄褐で目周囲及び斑紋に淡赤が入ります。表皮の粗滑は中,目の数は極多,深浅は極深,肉色は白です。
 個重型・個数型の別は個重型となります。食味はよくない。
 「ワセシロ」と比較して,花の数が多いこと,花色が鮮青味紫であること,いもの長短が長いこと,目の数が多いこと等で,「インカの星」と比較して,茎の長さが短いこと,花の数が多いこと,がくの色が帯赤であること,花色が鮮青味紫であること,いもの長短が長いこと,目の数が多いこと等で区別性が認められます。

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左:「エスペランサ ビオレータ」の花。右:その花畑(写真提供:十勝農業協同組合連合会)。
情報の御提供があれば、執筆者の氏名を添えて、こちらのホームページに載せてもかまいません


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