ジャガイモ品種「ホッカイコガネ」(HOKKAIKOGANE)

(1)来 歴
昭和45年、北海道農試で「トヨシロ」に「北海51号」を交配し、昭和56年に奨励品種に決定しました。品種名は育成地が北海道であること、肉色およびフライ色が黄金であることを示しています。
 地方番号「北海60号」、登録番号「農林25号」です。主として十勝地方で栽培されていますが九州での栽培もみられます。
 「北海黄金」、「コガネメーク」、「ゴールド」あるいは「コスモメーク」などの名でも売られています。岐阜、三重県などでは「ゴールデンメイク」で売っているとか。別名で売っているものには正規の防疫検査に合格していないものがあるので、種いもは正規の名称のものを買う必要があります。(すべての品種について当てはまります)
(2)地上部特性
枯凋期は「トヨシロ」に比べ、2,3週間晩く、「農林1号」程度の中晩生種に属します。萌芽は遅く、初期生育が劣り、開花も遅れます。
 草型は直で、草姿は「トヨシロ」に似ていますが、茎長が高く、小葉が大きい。茎の着色がない。茎翼は「トヨシロ」同様の直です。
 花は淡赤紫色で、花弁の先が白い。花数や自然結果が多い。
 疫病の罹病経過は「ユキジロ」なみです。青枯病には弱い。Yウイルス病に弱く、かかると、れん葉、えそ、および縮葉型がみられます。
(3)地下部特性
いもは「トヨシロ」より大きく、「農林1号」、「ムサマル」並です。いもの形は「ユキジロ」よりやや細い。皮色は「メークイン」に近く、表面に僅かにネット(ラゼット)があります。形は「ムサマル」よりスリムです。肉色は「ユキジロ」しは違って淡黄で、フレンチフライの色も淡黄となります。
 目の数は中です。いも着生位置は中、ふく枝の離れはよい。
 塊茎の早期肥大性は、「トヨシロ」に比べ劣っています。でん粉価の上昇も遅いが、最終的には「農林1号」並になります。
 塊茎腐敗は少なく、裂開、二次生長、および褐色心腐の発生は見られません。中心空洞の発生は、「ムサマル」並の微です。
 休眠明けの時期は「トヨシロ」よりも遅い。貯蔵性は「男爵薯」、「ムサマル」並によい。
(4)調理加工特性
剥皮黒変はなく、調理後黒変は「メークイン」より少ない。水煮後の煮くずれは「メークイン」より少ない。還元糖含有が少なく、リコンディショニングも比較的容易なため、「ユキジロ」とともにフライドポテトの原料に適しています。煮物やサラダにも使用可能です。
(5)栽培上の注意
萌芽、初期生育が劣るため、浴光催芽を行うほうがよい。形が長いので、切断方法に「メークイン」並の注意が必要です。「ユキジロ」に比べ、肥大が劣るので、加工用の栽培では株間を密にせず、35〜40pぐらいにするのがよい。
 粉状そうか病には強いが、青枯病や軟腐病には弱いので、排水のよい、肥沃な土地などに栽培するのがよい。「ムサマル」とは違って、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性はな い。


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左:淡赤紫色の「ホッカイコガネ」の花。このあと果実がたくさんなります。

右:「ホッカイコガネ」の塊茎、「ムサマル」より細身。

表 主要品種の調理特性
品  種肉色肉質煮崩れ調理後
黒変
フライ
適性
ホッカイコガネ
メークイン淡黄や粘不適
男爵薯や多や多
キタアカリや適

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