ジャガイモ品種「コナヒメ」(HPO7)

(1)来 歴

 2003年ホクレン農業総合研究所恵庭研究農場において、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性の「DP01」を母、「コナフブキ」を父として交配し、以後選抜育成に努め、一五年北海道の優良品種となったものです。
 用途はでん粉原料用です。命名は、でん粉原料用を示すコナと、「きたひめ」が同じホクレン育成であることからそのヒメを組合わせたもの。
 現在、でん粉原料用品種として、ライマン価が高く、後作に秋まきコムギの栽培が可能な「コナフブキ」が広く栽培されていますが、線虫抵抗性をもっていません。
 線虫汚染地域の拡大を防ぐため、これまでに優良品種となっている「コ ナユタカ」および「パールスターチ」(「コナフブキ」は祖母にあたる)とスクラムを組み、線虫感受性品種の作付けを減らすことが望まれています。

(2)特 性

 「コナフブキ」と比べ、茎長はやや低く、草性はやや直立していますす。花の色は「コナフブキ」の淡赤紫とは違って白です。開花後の結実果数は「コナフブキ」よりかなり少なく、野良いも化の心配はありません。枯凋期は共に中晩生に属し、早掘適性があるので秋まきコムギの前作として作付けできます。
 いもは「コナフブキ」より少し小さいが、その数は少し多い。収量では勝り、ライマン価はやや低く、でん粉収量はやや勝っています。
 いもの形は短卵、皮の色は淡いベージュ、目の深さは浅く、肉の色は白く、両者はよく似ています。「コナフブキ」にあった目の淡いピンクはなく、休眠期間はやや短い中となっています。
  中心空洞や二次生長のできやすさは「コナフブキ」並、打撲による黒変は同品種並に出やすく、褐色心腐は同品種より少し出やすい。  ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持っており、本品種の栽培により土壌の卵密度はかなり減少します。しかし、Yモザイクウイルスにはかかるので、種いも栽培では抜き取りに注意を要します。茎葉の疫病や塊茎腐敗は「コナフブキ」並〜少ない。


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