ジャガイモ品種「レッドムーン」


(1)来 歴
 株式会社 サカタのタネがパン アメリカン シード(株)(アメリカ合衆国)から導入した真正種子から選抜し、育成種苗登録し、平成3年2月21日付け官報で告示されました。沖縄(JAぎのざ)では「紅じゃがいも」と呼んでいます。「モンキーレッド」で売る人もいるとか(2016年)
(2)地上部特性
 幼芽の色は赤紫、萌芽時の葉色は帯赤、葉色は緑、草型はやや開張型、茎の長さは長、太さはやや細、分枝はやや多い。頂小葉の形、大きさは中。花色は赤紫系で、長く咲いている。疫病には弱い。
 茎には二次的に赤紫の斑紋があり、葉はしだいに赤みを帯び、一目で区別できるようになります。
(3)地下部特性
 ふく枝の長さは長、いもはやや長く、形は楕円形、皮色は赤できれいです。目の部分が少し濃い。
 目の数は中、深さはやや浅く、肉色は黄。加熱すると濃くなります。いも数は多い。
特に早期肥大性はなく、いも数は多い。でん粉価は低く、肉質は粘。水煮黒変、煮くずれは少なく、微です。空洞や褐変はでやすい。
 休眠期間は短いので扱い難い。風乾キュアリング後は、できるだけ2〜3度の低温に貯蔵するのがよい。
 また、低湿地では腐敗しやすいので、排水のよいところに栽培する。
 繁茂しやすいので、地力に応じて窒素は控えめにし、ストロンが長いので、半培土、本培土を早めに十分実施します。北海道の奨励品種にはなっていない。

蛇足
北海道では、1991年後志管内倶知安町高見の福家貞一(77)さんが栽培したほか、十勝、中標津などでも栽培されています。
 紀伊長島町では平成3年度から実施している、「一集落一野菜づくり」の一環として極小カボチャ(錦甘露)、赤色と黄色のジャンボピーマン、赤いバレイショ(レッドムーン)等を試作し転作作物として奨励するとともにこれらの新品種による特産物の開発に取組んでいます。




右:琉球産『紅じゃがいも』2008.03

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