トヨアカリ (TOYOAKARI)

***国内で始めて育成された線虫抵抗性品種***

(1)来 歴
昭和49年、北海道農試で、「ツニカ」に「WB61037-4」を交配し、昭和61年優良品種に決定されたものです。品種名は澱粉の豊産であることに加え、線虫抵抗性保有品種栽培からくる農家の曙光を表わし、目の赤いことにもかけています。
 地方番号「北海67号」、登録番号は「農林27号」です。北海道の知床に近い斜網、羊蹄山麓で若干つくられていました。2001年優良品種から削除された。
(2)地上部特性
萌芽、初期生育は「紅丸」に比べてやや劣ります。枯凋期は「紅丸」より早く、「コナフブキ」なみの中晩生種に属します。茎長は「紅丸」並ないしやや高く、草姿はやや直です。茎の太さは中、茎翼はやや波であり、「農林1号」同様茎の一部に赤紫が分布しています。葉色は「農林1号」より淡い。茎数、分枝数、小葉の大きさは中です。
 花色は淡赤紫で、花弁の先端部分は、白ではないがやや淡い。花は大きく、花の数と自然結果は多い。葯の色は「コナフブキ」などの黄とは違って橙です。
 疫病抵抗性遺伝子R1を保有し、初発生および病勢の進展は比較的遅い。  Xウイルス病でモザイク症状、Yウイルスでれん葉が多く、えそ症状も発生します。

「トヨアカリ」の奬果(実)と塊茎

(3)地下部特性
いもの目には「コナフブキ」同様、淡赤紫の着色があります。表皮はやや粗で、肉色は「ホッカイコガネ」並の淡黄なので、白黄の「コナフブキ」と区別できます。粒大は「農林1号」より小さいが「紅丸」より大きい。収量は「コナフブキ」より高いが、澱粉価はやや劣っています。
 澱粉価は生育初期より高いのですが、9月上旬のいもの肥大が劣るため、早掘りの澱粉収量では、「紅丸」や「コナフブキ」に比べ劣ります。
 澱粉原料用専用の品種です。澱粉粒子の大きさは「紅丸」と「農林1号」の中間です。澱粉糊化時の最高粘度は高いが、澱粉中の灰分とくにりん含有が高い欠点があります。  ジャガイモシストセンチュウの寄生型Ro1に対する抵抗性遺伝子H1をもつことが最大の特徴です。
 感受性品種同様、幼虫が根に浸入するが、本品種の根ではシストを形成できないため、土壌中の線虫密度を低下させることができます。つまり、土壌中の線虫の卵数は、「紅丸」では植付前の3倍にも増えますが、本品種では8割も減らすことができます。
 また、粉状そうか病には強い。疫病により塊茎腐敗は一般品種程度、塊茎の軟腐病抵抗性はやや弱、青枯病にも弱い。中心空洞の発生は少ないが見られます。褐色心腐の発生は「紅丸」より少ない。
 塊茎の休眠は短く、農林1号に近い。
(4)栽培上の注意
線虫抵抗性ですが、種いもの生産は線虫のいない圃場で行う必要があります。線虫密度の高い圃場では減収するため、輪作、殺線虫剤施用などの手段を講じる必要があります。
 塊茎形成が遅く、初期の肥大が劣るので、生育の促進に努めておき、早掘りを避けるようにします。
生育後期に頂部葉がスプーン状となり、一部黄色味を帯びてくるので、採種圃の抜取りは早めに行うようにするとよい。
 また斜里地方では、土壌の乾燥などにより、葉の周辺から枯れ、葉柄がしおれることがあり、収量が上がりにくい。
切れ込みの深い星状の種S.commersonii

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