ジャガイモ澱粉でつくったポテトレー


(環境にやさしい夢のプラスチック, Nov.1998)

 北海道産ばれいしょ澱粉が過剰ぎみに推移するなかで、輪作体系を守り北海道の農業を守り、さらに発展させるために、消費拡大並びに他用途への転換が望まれているところです。
 1994年のリレハンメルオリンピックで、イタリアのノバモント社が開発した澱粉由来の食べられるプラスチック皿が話題になりました。
 北海道澱粉工業協会が開発費を負担し、(株)富士計器(釧路市星が浦大通4)が道立工業試験場(札幌市)、道立食品加工研究センター(江別市)などと共同で澱粉の研究を続け、平成5年に生分解性の容器『ポテトレー』をつくることに成功しました。
ジャガイモ塊茎を液状化し、これに乳酸菌を働かせてL-乳酸をつくり、さらに濃縮してから熱分解してラクチトと呼ばれるプラスチックの原料までもっていくもの。
平成7年の阪神大震災に大皿10万枚が支援物資として緊急に活用されたり、平成9年1月に開催されたくしろ湿原国体で、カニ汁、カジカ汁を入れる食器に使われたり、平成10年の長野冬季オリンピックでは組織委員会に2種10万枚を提供したことこありました。
 発砲スチロールの製品に比較して、@土に埋めると微生物の働きで最終的に水と炭酸ガスまで分解して土に帰る。A生ごみとして捨ててもよい。B燃やしても紙やダンボール程度の燃焼熱で、焼却可能・・と言う環境にも優しいものです。欠点は澱粉を使うため高いこと。電気製品をオーストラリアなどに輸入する際、シヨック吸収用の発砲スチロールを輸出国に持ち帰る必要がありますが、その手間を省く材料にも使うことができる環境に優しい夢のプラスチックとも言えます。


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