ヤーコン

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 ヤーコンはペルーやボリビアなどのアンデス高地原産のキク科の根菜植物であり、ヒマワリに似た葉をつけ、人の丈ほど伸びます。塊根はサツマイモに似ていて、インカ帝国の時代から栽培され食用にされてきました。つまり、その歴史は700年に及びます。
 アンデス以外の地域にはほんど広がっていないが、 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は1960年ごろから注目してきています。
 つまり、読売新聞95年11月11日付けの「世界のFOOD記」で、北朝鮮からの亡命者――故金日成前国家主席の別荘の管理長――の話として、日成、正日父子の医師団が父子の長寿を願って、ヤーコン入りの冷麺を開発していたことを紹介しています。医師団が低カロリーでアルカリ性、ビタミンとミネラルが豊富で、消化促進、高血圧、糖尿病の改善に効果がるということから、ヤーコンに着目した経緯にふれています。先の亡命者は韓国に亡命した後、このヤーコン冷麺を広める活動を行っているとか。
 一方、日本にヤーコンが入ってきたのはかなり遅く、1985年に種業者が売り出した。しかし、食方や料理法が知られていない上に、収穫直後は甘みも少なく水っぼいために、あまりおいしくないイモと見向きもされなかった。その後の研究で、フラクトオリゴ糖を多く含む野菜であることがわかった。その専門家の一人、「奇跡の健康野菜ヤーコン」(廣済堂)の監修者である、茨城大学農学部の月橋輝男教授などによれば、フラクトオリゴ糖は、ほかの糖類と違って、人の消化酵素や消化器では分解吸収されにくい性質を持っている。また、腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増加させ、大腸菌などの悪玉菌を減少させるため、腸内細菌のバランスを整えます。芋は、サツマイモのような形をして、ダリヤのようについています。食感はサクサクして、少し甘みがあります。 一般的な食材というより、健康食品として売り出すところがあり、裁培地域で特に熱心なのが山口県光市。95年にはヤーコン協同組合が設立され、翌96年には便秘改善に役立つイモジュース「アンデスヤーコン」を発売した。ヤーコンの有効成分は芋部分だけでなく、葉にもカリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含んでいる。南米各地ではもともと、ヤ―コン茶は民間療法的に、糖尿病の改善に効果のある、ハ―ブテイーとして飲まれていた。これに製薬メーカーの全薬工業が着目し、96年にヤ−コンの葉のお茶「養生食品 谷阿坤 ヤーコン」を発売した。「糖尿病マウスにブドウ糖を飲ませると、通常なら急激に血糖値が上がり、インスリン分泌が促進されます。ところが、ヤーコン葉エキスを投与しておくと血糖値が上がらず、かつインスリンの分泌も減少すると言う。ヤーコン葉にはインスリン様作用を持つ物質がある外、ウーロン茶と、ある比率で配合することで、血液中の中性脂肪とコンステロール、肝臓中の中性脂肪を減少させることがわかっています。根も葉も注目されるヤ−コン、生活習慣病に悩む中年世代の救世主となりうるか、ヤングのダイエット食品なのか、関心がもたれつつあります。
 農水省でもヤーコンに関心をもち、平成12年に四国農業試験場で「サラダオトメ」(ヤーコン農林1号)を開発しました。これは多収、塊根の裂開が少ない、塊根の貯蔵性が優れてるものであり、サラダや炒めなどに利用できます。
 アンデス高地が原産と言えばジャガイモが横綱。煮たジャガイモはカロリーがご飯の半分で、高血圧に効くカリウムなどミネラルが多い。B1(サイアミン)、B2(リボフラビン)、B6(ピリドキシン)、葉酸、ナイアシン、C(アスコルビン酸)と言ったビタミンがご飯より多く、黄肉品種ではカロチノイドもあるなど、ビタミンの種類。含有バランスに優れ、ヤーコンもこの足元におよばない。

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