アレルギー疾患を持っている人の抗体(antibody)と反応してアレルギーを引き起こす物質(抗原(antigen))をアレルゲン(ドイツ語:Allergen)と言います。またもっと広義にアレルゲンを含んだ物質、例えばスギ花粉などもアレルゲンと呼んでいます。
そのアレルゲンには次のようなものがあります。
1.一般的アレルゲン
(1) 吸入性アレルゲン
室内塵(ハウスダスト。ヒョウヒダニの虫体や糞などが主)、皮屑(フケ。とくにイヌ、ネコなどのペットのフケなど)、花粉(スギ花粉、ヤシャブシ花粉、イネ科花粉、キク科花粉など)、真菌(カビのたぐい。とくにアルテルナリア)、昆虫(ユスリカ、ゴキブリ等)
(2)刺咬性アレルゲン(蜂に刺されるなど)
(3)食餌性アレルゲン(大豆、卵、牛乳など)
(4)薬剤性アレルゲン(注射・内服。ペニシリンなど)
2.職業性アレルゲン(吸入または接触性)
(1)動物の体成分・排泄物
(2)植物性微細物質(小麦粉や木材加工の際の粉塵等)
(3)薬剤(ペニシリンなど)
このような物質中に含まれるタンパク質または糖タンパクは、人体を構成するタンパク質とは異質なため、排除の原理が働いて抗体が産生され、それによって過剰な免疫反応であるアレルギー症状を起こすと言われています。
食物アレルギーにしぼり、そのうちでも3大アレルゲンと言われているのは
1.卵
卵最もアレルギーを起こしやすい食品で特に、「卵白」に含まれているオボムコイド。
2.乳製品
チーズ牛乳・チーズ・ヨーグルト・アイスクリームなどがアレルゲンになる可能性があります。
3.小麦
パスタ普通小麦・準強力小麦・強力小麦のほか、パスタに用いられるデュラム小麦。
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その他のものでは、
トロロ山芋やサトイモなどに含まれる「アセチルコリン」がアレルゲンとなり、口の周りがかぶれるなどの症状が出ます。
ピーナッツ そばと同じように、少量で激しいアレルギーを反応を起こす恐れのある食品です。ピーナッツオイル・バターも同様です。
大豆 豆腐大豆に含まれてる蛋白質が原因です。豆そのもの以外に、豆腐・納豆・きな粉などの加工品も注意が必要。
魚介類 魚でアレルギーを起こしやすいのは、サケ・マグロ・イワシ・カレイ・アジ・タイ・タラ・ブリ・サバなどです。また、イクラ・すじこなど。
肉 蛋白質だけでなく、脂肪分も多いので消化吸収能力の未熟なうちは慎重に与える必要がありましょう。
Q ジャガイモや澱粉を食べてアレルギーがみられますか?
ジャガイモ中のタンパク質は品種・栽培条件で差がありますが、水煮いも100g
に1.5gあります。このためごく一部の乳幼児などが口にしますと免疫システム
がそれを異物と判断して免疫反応を起こすようです。お医者さんと相談されて
抗アレルギー剤の内服薬を処方してもらうといいでしょう。ジャガイモアレル
ギーのある方は市販のポテトチップス類は用心した方が良いと思います。油で
揚げてありますし、添加物、保存料など化学物質も使われています。この使用
されている油やその他の添加物などがトリガー(引き金)になってジャガイモ
・アレルギーを起こすことがあります。
アレルギー(Allergie)はギリシャ語のallos(別の)と ergon(作用)から合成された言葉であり、生物が、特定の物質や条件に対し、正常者とは変わった過敏な反応を示すことを言います。花粉、じんあいを吸ったり、びわの皮を剥いたり、ムギやソバを食べて過敏反応が出たという話にときどき遭遇します。原因食品で良く知られているトップ3は卵、牛乳、小麦であり、以下ソバ、エビ、ピーナツ、ヨーグルト、チーズ、大豆、牛肉、鶏肉、キウイ、イカ、豚肉と続きます。
野菜・果物のアレルゲンの特徴は、牛乳アレルギーの発症メカニズムとは違って、10歳以降に発症してくること。また、ひとつの野菜でのみ発症したり、いくつかに共通して起きたり、樹木、イネ科、及び雑草花粉との間に交差性もあったりします。
花粉症患者さんの野菜・果物に対するアレルギーでは、口に周囲やのどのかゆみ、浮腫などが主な症状で、Oral Allergy Syndrome(OAS:果物過敏症)といわれています。たとえば、私の家内のように、シラカンバ花粉症患者さんの一部にリンゴに対するOASが認められているなど。
ジャガイモを食べてもほとんど過敏反応は起こりません。稀ですが朝ジャガイモ入り味噌汁を飲んだら、学校で顔が真っ赤になったとか、ポテチを食べてから蚊にさされたような径1cmほどの発疹がでたとか、皮をむく時に手に湿疹が出たり,樹木の花粉アレルギー患者の中には口内掻痒感,鼻炎や眼の刺激感が出現することがあると言います。気管支喘息,じんま疹,クインケ浮腫などもジャガイモアレルギーの症状としてみられるとか。しかし、野菜アレルギーは次第に加齢と共に身体の免疫システムが、ジャガイモの抗原に慣れて発症しなくなり、自然消滅することがあると言われています。お医者さんと相談して抗アレルギー剤の投与をうけつつ様子をみるのがいいでしょう。
ジャガイモにアレルギーがあり、その澱粉(片栗粉)にもある、と言う話を聞いたこともあります。 ジャガイモから採取した澱 粉は炭水化物(高分子)であり、ジャガイモ自体よりもタンパク質が少ないので、ごく稀に過敏感反応が起こったという話があります。
ポテトチップス、中華、ジャガイモからつくった春雨を避けている子供もいるそうです。こうして努力してアレルギーの値を下げているようです。
ジャガイモと他の野菜や花粉との交差反応性についても検討され,同じ科に
属するジャガイモとトマトの間にはほとんど交差反応性がないと言われていま
す。しかしイネ科の「カモガヤ」と共通抗原をもっているという話がかりますので、その花粉症にも注意するといいようです。