新技術情報

ジャガイモシストセンチュウの増殖を抑制する線虫寄生菌
1,背景・ねらい
 ジャガイモシストセンチュウの防除法として、抵抗性品種や殺線虫剤の利用が挙げられるが、消費者は罹病性の男爵薯、メークインにこだわり、また、殺線虫剤はやや高価であるため、その利用は広がっていない。

2.成果の内容・特徴
 そこで、北農試の線虫研究室では、センチュウに寄生性を示す糸状菌を探索し、センチュウに対して高い寄生性を時つBCF菌(末同定、3菌殊、BCFl〜3)を選抜し、増殖法や効果的使い方を検討した。
 ジャガイモ煎汁寒天培地(以ドPDA培地)で生育させたBCF菌の菌叢上にジャガイモシストセシ千ユウ雌成虫を置いた生物検定では2週間で約90%の雌成虫に寄生し、ほとんどの個体てすべての内蔵卵が異常となっていた。
 本菌は、培地での生育適温は25℃であり、生育に好適なpHは5〜7であるが、pH4においても高い寄生性を示す。
 本菌は、ジャガイモシストセンチュウの雌成虫に対しで寄生性を示す他、ダイズシストセンチュウの雌成虫にも高い寄生性を示す。
 ジャガイモシストセンチュウ汚染土壌に本菌のPDA培養菌体を混和し、男爵薯を栽培した場合、l年後の線虫増殖率ば、対照区が5〜7倍だったのに対し、BCF菌核種区の収穫時の線虫密度は初期密度より低下した。
 本菌は、小麦ふすまや米ぬか、大麦穀粒を培養基とした培地でもよく生育し、容易に大量増殖が可能であるという。
 問い合わせ先 北海道農業試験場生産環境部 線虫研究室  串田篤彦



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