ポテトエッセイ第30話
マッシュ・ポテトは、魚や肉料理のつけ合せとか、サラダ、コロッケなどにも使えるなど利用範囲が広く、水又はお湯を加え、すぐ裏ごしジャガイモにできるので好評です。市販コロッケやハンバ−グの材料でもインスタントのマッシュ・ポテトを用いることが多いのです。
マッシュ・ポテトは、ビタミンC、B類などが多いアルカリ性食品であり、消化もよいので、老人食や離乳食のベ−スにも使えます。特にコンデンス・ミルクなどの乳製品、つぶした野菜、バナナなどと組み合わせると立派な離乳食に変身します。この外、小麦粉と混ぜて麺にしたり、練ってヘラブナやコイの餌にも使えます。
マッシュ・ポテトの加工生産は、戦後アメリカで発達ました。その製法によって粒状で、でん粉を糊化させない微粉状のグラニュ−ルと、薄片のフレ−クとに分けられます。どちらもジャガイモを蒸して、ドロドロにつぶし、漂白したり、乳化剤を加えて乾燥します。細粉にし、でん粉が糊化したものはフラワ−と呼ばれます。
グラニュールは、わが国ではスナック用成形チッブス(チップスタ−、ポテルカのように形の揃ったチップス)に使われています。ポテトフラワーはパンの新鮮さを保つフレーバーをよくするため、古くから使われてきました。
家庭でつくるには、まず皮をむいて適当に乱切りし、水にさらしてアク抜きをします。鍋にジャガイモがかぶるくらいの水と小量の食塩を入れてゆでます。ゆですぎると煮くずれし、味がおちます。お湯を捨て、再び火にかけてつぶしながら水気をとります。
口当りをよくするには裏ごしをします。裏ごしは、イモが冷えてくると粘りが出てこしにくいので、熱いうちにやるのがコツです。
脱水加工製品は、原料イモ七に対し製品一の割合で生産できます。原料としてはおよそ次のようなイモが望まれています。すなわち、大きさはフレークやグラニュールをつくる時はそれほど大きくなくてよいが、形のよイモのがよく、目(くぼみ)が浅く、深い傷がなく、肉色が白黄ないし淡黄であり、肉に空洞や褐色の斑点がなく、煮たイモを放置しておいても黒く変わりにくいものがいい。未熟の新ジャガよりも、完熟していて、比重が1.08より高いものが美味しくてよいものになります。甘味の元である還元糖含有率はあまり低くなくてもよく、0.5%以下ならよいでしょう。適品種としては、「ホッカイコガネ」(肉色が淡黄)、「トヨシロ」、「ムサマル」などがいい。
(何故かここで、算数の問題を一つ)
母が子供を前にし問題をだしました。『ここに、ふかしたジャガイモが11個あると思ってね。これをあなたがた5人で分けるにはどうすればよいでしょう。』
和夫君の答え、『1つ多いので僕がまず1つ食べ、残りを1人に2個づつ公平に分けると喧嘩しなくてよいと思いまーす。』
太郎君の答え、『マッシュ・ポテトにして5つに分ければいいよ。』
さて、貴方ならどう答えますか。