ポテトエッセイ第42話

ビタミンCの効用【ジャガイモ博物館】

  これさえ食べていればきっと長生きできます、と言う話がいろいろあるようですが、長寿にビタミンC(アスコルビン酸)が役立つと言う人も多いのです。昭和55(1980)年2月に来日した2つのノーベル賞受賞者ラナイス・ポーリング博士は、ビタミンCの大量連続摂取が不老長寿のもと、と各地で講演していきました。ポーリング博士自身は50歳は年下と思われる美女を2度めの奥さんにしているから、長生きにビタミンCの効果があるのか、美女が側にいるためか?定かではないのが残念です。1994年8月19日に前立腺癌のため93歳で他界した。
 テレビのコマーシャルではありませんが、朝、歯をみがいたときやリンゴをかんだときに血がでませんでしたか。歯ぐきに皮下出血をおこしていれば、壊血病の初期症状の恐れがあります。ビタミンCの不足で歯槽膿漏や風邪、脳出血、胃潰瘍などにかかりやすくなることもあります。
 ビタミンCが不足すると、風邪の原因になるウイルスの攻撃に抵抗力が弱くなることはよく知られていますが、しかし、風邪の原因はすべてウイルスによるのではなく、それに近く小さなマイコプラズマなどにもよりますので、その効果は万能と言うわけにはいきません。ビタミンCが効くのは、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルス、レオウイルス、コロナウイルスなどだそうです。
 アーウィン・ストーン博士によりますと、日ごろから適量をとって予防に努めておき、もし不幸にも風邪をひきかけたときは、ビタミンCを2,30分間隔で症状がなくなるまで(通常は3回程度、1.5〜2g/日)続けると効果があるそうです。2つのノーベル賞をもらったL・ボーリング博士も風邪のひき始めに1日の必要量の百倍に相当する数グラムをとることをすすめています。小生の例では、ジャガイモを日本人平均よりたくさん食べることに加え50歳くらいから1日83mg(12錠とれば1000mgというのを2錠にけちった)ほぼ毎朝とってきましたが、それから今80歳まで風邪をひいたことがありません(2014年記)。
 ほとんどの動物は体内でビタミンCを作れるのですが、人間にはその能力がありません。また昔のようにビタミンCの豊富な環境に住んでいないので、多くの人びとはビタミンC不足の状態にあります。村田 晃さん監修の「ビタミンC新効果」などで上げているビタミンCの役割をひろってみますと、

【ジャガイモのビタミンC】
 ヒトはアスコルビン酸を体内で合成できないため、必要量をすべて食事際野菜・果物などによって外部から摂取する必要があります。しかし注意しなければならないのは、ヒダタミンCは加熱に弱いこと。野菜ジュースを加熱殺菌したりすると失われますので、自動販売機に並ぶ製品などでは、改めてビタミンCを加えて【ビタミンC添加】と記述しています。このとき「レモン1個分のビタミンC」とは 20mg に換算されたものです。生ジャガイモ100gのビタミンCは収穫直後はこの2,3倍入っていますが、貯蔵期間が延びるにつれて減少し、レモンより下回るようになります。品種では「キタアカリ」は「男爵薯」、「メークイン」より多く含んでいます。嬉しいことに、ジャガイモのビタミンCはでん粉で包まれているため、加熱による損失がすくない。
 ビタミンCの効果を確認するにはジャガイモでん粉のお世話になる必要があります。つまりテストをお願いする方(被験者)を2群に分け、一方にはビタミンC、他方にはにせ薬(プラシボ)を飲ませて効果を比較するのですが、にせ薬の被験者には、外見がビタミンC剤そっくりで中身がジャガイモでん粉のものを与え、どちらを飲まされたのか判らないようにして比較するのです。
 例。このようにして、1961年に279名のスキーヤーを対象としてビタミンCが風邪に効くかどうかを試験したスイスにおける例によりますと、ビタミンC投与群の風邪のひき方は65%少なくなり、その上、治り方も早かったそうです。

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