ジャガイモ品種「北海98号」(雪印種苗商標登録:インカルージュ)

(1)来 歴<BR>
 2001年に独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センターの「インカのめざめ」を栽培していた畑で、皮色が赤色に変異した個体を発見したもの。「インカのめざめ」との区別性が確認されたため「北海98号」の地方番号を付した。
登録番号:【種苗法による品種登録】第17577号 (2009年) 。

(2)形態的特性
 幼芽の色は紫。茎の丈は短かく、太さは細い。茎色は「インカのめざめ」とは違って紫です。葉の縁は波打つが葉軸の色は「インカのめざめ」とは違う紫です。花色は淡い紫です。落蕾が多く、花は少なく、結実は稀です。

 ふく枝の長さは短かく、いもの着生は浅く、密に着きます。いもは卵形で、目(くぼみ)は浅く、数は少ない。表皮は滑で、肉色は橙で、「インカのめざめ」と同じですが、皮色は「インカのめざめ」と異なる“赤”です。

(3)生態的特性
 枯凋期は「インカのめざめ」と同程度で“ごく早生”です。いもはごく小さく、収量は「インカのめざめ」並の“ごく少”です。澱粉価は「インカのめざめ」と同程度の18%で、いもの休眠期間はごく短かい。

(4)病害虫抵抗性
 疫病、Yモザイク病抵抗性には「インカのめざめ」同様に弱く、そうか病抵抗性は“やや弱”です。ジャガイ モシストセンチュウ抵抗性は有していません。  生理障害は、二次生長と裂開と褐色心腐は「インカのめざめ」同様に“無”、中心空洞は「インカのめざめ」 同様“微”です。

(5)品質特性
 剥皮褐変は無く、調理後黒変は微発生で、調理後も鮮明な濃黄色を保ちます。舌ざわりは滑で、ナッツ 風味があり、食味は上です。煮くずれは“微”で煮物に適し、用途は“調理用”です。カロテノイド系色素 を生いも100g当たり約600μg含有しています。

(6)品種登録の育成をした者の氏名
 森元幸、小林晃、高田明子、津田昌吾、向島信洋。


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