食用の はりまる

(1)来 歴
 神戸大・食資源教育研究センター(加西市)が、病気に弱く、変形しやすいなどメークインの問題点を改善しようと、2007年に品種改良に着手。「ながさき黄金」の父で食味がよいとされる「西海35号」*を母、アメリカのポテトチップス用品種の「Piko」を父として交配した。2017年品種登録完了。
*母は「インカのめざめ」の4倍体である「TD0101」×「サクラフブキ」の子供であり、父の「Piko」は、カル ビー育成の「ぽろしり」の父親でもあります。つまり、「ぽろしり」とは異母兄弟の仲。また北海道で今(2017年)道東を中心に一番広く栽培されている片栗粉専用品種「コナフブキ」は曾祖母にあたります。その面影は目の薄紫の着色に見られます。
 命名には姫路市を含む播磨地域で愛されるジャガイモになってほしい、との願いが入っています。

(2)特 性
 いもの形は短卵ないし球、皮色は黄で肌は良くない。肉色は明るい黄。目は淡赤紫に着色していて「男爵薯」や「メークイン」と識別しやすい。両品種よりでん粉含有率が高いが、肉質は中ないしやや粘質であり、煮崩れはしにくいので、ジャカバター、スープ、煮物にお勧め。食味はよい。低温下で貯蔵するとデンプンが糖化して甘みを増す。熟期は中晩生ないし晩生。
「メークイン」のような二次生長はほとんど見られない。干ばつなどによる褐色心腐の発生は微です。
 ジャガイモシストセンチュウ抵抗性であり、その線虫発生地では、線虫密度の低下に役立ちます。


上:「はりまる」の花と塊茎
写真提供:神戸大学食資源教育研究センター


 普及に向けて、2014年度から姫路市近隣の約10農家で試験栽培を開始。石井尊生センター長は「播磨地域の中心で観光地でもある姫路市で、多く消費されることを期待している。地域で愛されるジャガイモになってほしい」と話している。 

 目に アイシャドー 【ひいおばーちゃん「コナフブキ」の横顔】
北海道で、「男爵薯」や「メークイン」よりも広く栽培されている。目に淡赤紫のアイシャドーがあり、でん粉含有率がとても高い片栗粉専用品種ですが、これを活かしてジャガイモ焼酎(清里町)に使われたり、皮つきをおろしてコムギ粉無添加のお好み焼きに使われたりしている。
 煙草の葉をも枯らすYモザイクウイルスに免疫であり、畑で罹ったことが見たことがない、という隠れ技ももっている。こんな点を含めて保坂元教授から高く評価されていました。
 欠点はジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持たないことでしたが、「はりまる」はそれを克服しました。もうひとつの欠点は果実(漿果、berry)が多いこと。北海道ではそれが野良生えとなります。


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