ジャガイモ品種「インカの星」(☆☆☆)

(1)来 歴
 来歴不明。北海道農試(当時恵庭市)の育成系統の1つとも言われていますが、登録の前に普及したものです。
(2)特 性
ごく晩生で、丈が高い。花は紫で先が白く、自然結果多い。小葉は小さく、茎は緑です。 「島系575号」同様に、地上部の生態は悪く、小葉にはウイルス病に酷似した皺がみられます。
平均一個重が35gほどのごく小粒、しかも収量が少なく、いも着は疎です。
しかし澱粉価が22%ほど、と非常に高いのですが、煮くずれが無く、栗の味に似て品質がよいため、一部で関心が高まり、和寒町、興部町などで栽培されてます。丹波屋が「インカの星」と名づけ、昭和の末から道内の量販店などで売りだして知られるようになったものです。
 いもは疫病にかかるが、茎葉は強い。ウイルスにも強そうです。
ジャガイモは粘質で煮物、カレーライス、おでんに向くものを好む人がいますが、この品種にように、粉質で、ナッツ・フレーバーのものが概して人気があります。肉色淡白黄です。水煮黒変や剥皮黒変はない。フライには向きません。
 缶詰でも比重(澱粉)が高いものが望ましい。そんな「ポム・パリジェンヌ」(オランダの品種ビニチェの小粒)は、かなりの高値で輸入されています。これもそれに近い品種と言えましょう。


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