ジャガイモ品種「きたかむい」(北海道優良品種 ばれいしよ第48号)

長 所
  • 早生で秋まき小麦を組み込んだ輪作を容易にできる。
  • 白肉丸いもで「男爵薯」より多収、良食味で「男爵薯」より調理品質が優る 。
  • ジャガイモシストセンチュウ抵抗性。
  • 「男爵薯」より中心空洞が少ない。
短 所
  • 褐色心腐が「男爵薯」より多い。
  • 倒伏は「男爵薯」より多い

(1)来 歴
 ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有する早生生食用品種の育成を目標として、1997年にホクレン農業総合研究所において、「イエローシャーク」を母、「とうや」を父として交配し、翌年実生個体選抜に供試した中から育成された品種です。2004年から北海道の馬鈴しょ輸入品種等選定試験に供試し、品種としての実用性を検討した結果、2007年(平成19年)に北海道の優良品種に認定されました。
登録番号:【北海道優良品種】ばれいしょ北海道第48号(2007年)、【種苗法による品種登録】第19543号 (2010年) 。
(2)形態的特性
 そう性は“中間型”ですが「男爵薯」より倒伏しやすい、茎長は「男爵薯」より長いめです。葉色は「男爵薯」より淡く、小葉は「男爵薯」より細めで大きい。花色は白です。漿果は見られません。
ふく枝の長さは短かく、いも着きは浅い。いもの形は球、皮色は白黄、目の数は少なく、目の深浅は「男爵薯」より浅い。肉色は白です。
(3)生態的特性
 休眠期間はやや長く、初期生育はやや速く、枯凋期は「男爵薯」並の早生です。いも数は「男爵薯」みですがサイズは「男爵薯」より大きく、収量でも勝ります。澱粉価は「男爵薯」より低い。
(4)病害虫抵抗性
 ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子H1を持っています。そうか病抵抗性は“弱”。疫病、ウイルス病、塊茎腐敗は普通の品種程度に弱い。
 中心空洞は「男爵薯」より少なく、褐色心腐は「男爵薯」よりやや多く、二次生長は「男爵薯」と同程度の発生を見ます。
(5)品質特性
 用途は食用(調理用)です。肉質は「男爵薯」より粘質の“やや粘”、煮くずれは「男爵薯」より少ない。調理後黒変は「男爵薯」より少ない。食味は「男爵薯」並の“中上”で、ポテトサラダ加工適性は「さやか」並に優れています。
(6)栽培上の注意
 1)疫病や軟腐病等により塊茎の腐敗が発生することがあるので、防除を十分行うとともに、湿潤な土壌での栽培は避け、収穫時に塊茎に損傷を与えないように注意し、収穫後は涼しい場所でよく風乾する。
 2)褐色心腐の発生することがあるので、多肥や疎植を避け、十分な培土を行う。
 3)まれに塊茎の維管束褐変が発生するので、乾燥しやすい圃場で栽培する場合は注意する。
 4)「男爵薯」より倒伏しやすいので、多肥を避ける。
 5)疎植すると大きないもが多くなり、規格外が多くなるので注意する。

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