2003年道立北見農業試験場において、ジャガイモシストセンチュウ(以下、線虫)抵抗性があり、多収・高でん粉の「根育38号」を母に、でん粉品質の優れた「K99009-4」を父として交配し、以後選抜育成に努め、2014年北海道の優良品種となったものです。2023年北海道の優良品種から削除されました。
用途はでん粉原料用です。品種の名は、でん粉原料用品種であることを示すコナに、ばれいしょが豊作になるように願いを加えてつけられた。
「コナフブキ」と比べ、茎長はやや高いが、草姿は立ち、倒伏は少ない。花の色は「コナフブキ」の淡赤紫とは違って白であり、往時のでん粉原料用大品種「紅丸」より少し大きめであるが、それを思い出さしてくれます。
枯凋期は中晩生の「コナヒメ」や「コナフブキ」よりやや遅い晩生に属します。しかし、早期肥大性は「コナフブキ」並みなので、九月上旬の収穫が可能です。
いも数は「コナフブキ」並みかやや少なめですが、サイズは大きく、熟期が遅い分収量では勝ります。ライマン価は一ポイントほど低いが、でん粉収量は勝っています。
いもの形は「コナフブキ」の短卵形に対し、円形であり、目の周辺の淡赤紫の着色はありません。皮の色は黄、肉の色は淡黄で、塊茎の特徴は母方祖母の「ムサマル」に似ています。
「コナフブキ」と比べ、でん粉の粒子の大きさはやや大きく、白度は同等であり、離水率は並、リン含量はやや低く、ゲル物性はやや硬い傾向にありますが、一般的ばれいしょでん粉の範ちゅうです。
Yモザイク病には「コナフブキ」同様の抵抗性を持っています。そうか病と疫病には同品種同様に弱い。疫病菌による塊茎腐敗抵抗性は「コナフブキ」より弱いので、排水不良ほ場での栽培を避け、適正な培土をし、塊茎腐敗に効果のある薬剤を使用するなどの対策を講じる必要があります。