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平成6年(1994)に長崎県総合農林試験場愛野馬鈴薯支場において西南暖地向けの生食用品種「メイホウ」を母、寒地向けの生食用品種で、いもの外観・食味・貯蔵性が優れる「十勝こがね」を父として交配採種し、旧農林水産省北海道農業試験場(現(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター)において選抜・育成したものです。
地方番号は「北海97号」。平成21年(2009)北海道優良品種(ばれいしょ北海道50号)と認定され、翌年農林認定「ばれいしょ農林61号」、平成23年(2011)種苗法による登録もなされました(第20750号)。
新品種の名前は、「ピルカ」。アイヌ語で「美しい」を意味します。
草性はやや直立し、草高は「メークイン」並。花の数は多く、紫系の花を比較的長期間咲かせる。葉色は濃い。
塊茎の形は「男爵薯」より細長く、「メークイン」より丸い“長卵形”です。目の数は少なく、深さは浅い。塊茎の肉色は明黄(淡黄色)です。
初期生育及び早期肥大性はやや遅い。枯凋期は「メークイン」並の“中早”、収量は「メークイン」並ないし勝ります。しかし澱粉価は「男爵薯」及び「メークイン」より低い。塊茎の休眠期間は「男爵薯」並の“やや長”です。
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子H1を有しています。塊茎腐敗及び青枯病は「男爵薯」より強いが“やや弱”のレベルです。疫病・そうか病・Yモザイク病は「男爵薯」並に弱い。PVY-NTN の一次病徴は"表面の葉脈えそ症状"、二次病徴はモザイク症状を表す
いもの生理障害では、二次生長が「メークイン」より少なく「男爵薯」並み、褐色心腐は「男爵薯」より少なく、「メークイン」より多い、中心空洞及び裂開は、「男爵薯」並かそれより少ない。
剥皮後の褐変は「男爵薯」より少ない。水煮の肉質は「メークイン」並の“やや粘”、煮崩れの程度は、「男爵薯」より少ない、調理後黒変は微で、食味は「男爵薯」及び「メークイン」並の“中上”です。チップ・フライの適性は「男爵薯」並みです。
まとめ: 長卵形で目(いも表面のくぼみ)が浅いため、皮がむきやすく、食味は「男爵薯」と同じくらいの美味しさで、肉色は淡黄色です。また、煮くずれが少ないので水煮料理に向き、特に家庭での調理に最適です。
食味は「男爵薯」と同じくらいの美味しさです。。
目数が少なく、萌芽の揃いや初期生育がやや劣り、その後の生育むらを生じやすいため、種いもの管理及び植付けに際しては浴光育芽や芽の脱落防止等の適正な管理に努める。