ジャガイモ品種「ぽろしり」(CP07)

(1)来 歴

 2003年カルビーポテト株式会社がジャガイモシストセンチュウ抵抗性およびそうか病抵抗性を持つ油加工用品種の育成を目標として、「ノーキングラセット」を母、「Pike」を父として交配を行い、その後選抜・育成した品種です。2015年北海道優良品種に登録された。品種名は日高山脈の最高峰幌尻岳にちなんで名付けられた。意味はアイヌ語で「大きな山」の意です。

(2)特 性

 「トヨシロ」と比べ、初期生育はやや遅く、茎の丈は少し低く、花の色は紫です。
 熟期は一週間ほど遅い中生です。いもは卵形、目の深さは「トヨシロ」より浅い。皮色はベージュで、表面は少しラセット状です。いものサイズは「トヨシロ」程度で、数は若干多く、規格内収量では優っています。ライマン価はやや低い。
 「トヨシロ」と比べ、中心空洞は少なく、褐色心腐と二次生長は同程度の微発生です。打撲による肉の黒変は少なめです。 線虫抵抗性があり、「トヨシロ」や「スノーデン」の栽培が困難であった畑でも栽培できます。そうか病にはやや強く、メーカー買い入れ単価の向上に役立ちます。粉状そうか病の発生はやや少ないが塊茎腐敗は「トヨシロ」よりやや弱い。
 いもの休眠期間は「トヨシロ」よりやや短くやや長に属します。また、「トヨシロ」よりも長期貯蔵により還元糖が増加する傾向にあるが、ポテトチップおよびスナック加工に向いています。
 ライマン価の高い完熟いもの生産には、浴光催芽、早植えなどの基本技術を励行し、疫病菌による塊茎腐敗を減らすため、塊茎腐敗に効果のある薬剤を使うなど疫病防除を適切に行うとよい。


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