(1)来 歴
1999年(平成11)に長崎県の農林技術開発センターにおいて、でん粉価がたかめで、秋作で成績のよい系統「96016-8」を母とし、「キタムラサキ」の後代である赤皮・赤肉の系統「長系115号」を父として交配し、翌年から育成・選抜し、2006年11月に品種登録出願し、2009年2月登録された(第17575号)。農林水産省の審査を経て、2009年2月26日に新品種として登録されました。
その後JA全農はこの品種を「ドラゴンレッド(龍赤)」として商標登録をしました。
(2)特 性
出芽が早く、初期生育は良好。熟性は中早生。いも数が多く、一個重はやや小さい。形は長楕円、表面は「メークイン」のようにすべすべした感じで、目はごく浅い。皮色は赤く、皮は薄い。肉色も赤く、色が濃い部分と若干薄い部分がマーブル状になっている。この色はアントシアニン(主成分ペラニン)という色素によるもので、生いも100g当り約120mg含有しています。
西南暖地の品種としては、デンプン価は14%台と高いですが、煮崩れ少なく、ホクホク感は「男爵薯」と「メークイン」の中間くらい。
(3)調理特性
加工および調理適性が高く、サラダ、ポタージュ、ハッシュドポテト、ニョッキ、赤い皮を生かしたポテトチップやビシソワーズなども可能です。茹でる際は、アントシアニン色素が流失しやすいので、皮付きのまま茹でて、使う際に皮を剥くのがよい。