紫皮紫肉のシャドークイーン「ばれいしょ農林57号」

(1)来 歴
旧農林水産省北海道農業試験場(現(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター)のばれいしょ育種圃場において平成5年に採種した「キタムラサキ」の自然受粉種子の中から選抜された品種です。種子親の「キタムラサキ」は、アントシアニン色素を含有する紫肉のジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有する品種です。
平成17年に北海道の特定地域の特産物として普及が見込まれるものとして認定されました。平成18年農林登録、「ばれいしょ農林57号」。

(2)地上部特性
枯凋期は「インカパープル」並の中晩生です。  

(3)地下部特性
 いもの形は長楕円。目の深さは浅く、皮色は紫で、肉色も紫。
「インカパープル」に比べ、収量は多いがでん粉価はやや低い。親の「キタムラサキ」に比べると収量は少なく、でん粉価は同等の高めのものです。肉質は中です。
「キタムラサキ」と同様に塊茎の内部異常が少なく、褐色心腐、中心空洞の発生がありません。 食味は、「キタムラサキ」および「インカパープル」より良い。  

(4)調理・加工特性
食品加工向きです。生いも1gあたり8.16mgのアントシアニンを含有しています。このポリフェノールアントシアニンは、ブルーベリーが有名で抗酸化作用があり、目にやさしいもの。
付記.フランス人は、肉・乳製品などの高脂肪食を多く摂取するにもかかわらず、動脈硬化や心臓病による死亡が少ない。この「フレンチパラドックス」を解くカギとして赤ワインが注目されてきました(心疾患で死ぬ前にワインの飲み過ぎで肝疾患で死んでしまうからの説もある)。ワインの成分として話題をあつめたのポリフェノールは、光合成を行う植物に含まれる成分です。さてあなたは、ぶどうと紫のチップスどちらに手をのばしますか。  


「シャドークイーン」の花

「シャドークイーン」の塊茎

*品種メニューに戻る*
*スタート画面へ戻る*