ジャガイモ品種「スノーマーチ」(農林51号)

(1)来 歴
 北海道立根釧農業試験場において、そうか病抵抗性とジャガイモシストセンチュウ抵抗性を併せ持つ生食用品種の育成を目標として、平成4年、「アトランチック」を母に、「Cherokee」を父として交配し、以降、根釧農業試験場と北見農業試験場で選抜育成を加えてきたものです。平成16年に北海道の優良品種に決まったものです。農林番号は「農林51号」。
(2)地上部特性
枯凋期は、「男爵薯」より3週間以上遅く、「花標津」よりやや早い中生である。
(3)地下部特性
 早期肥大生は「男爵薯」のやや速に対してやや遅です。ふく枝の長さは「男爵薯」より長い。いもの形は倒卵、皮色は白黄、日の深浅は「男爵薯」より浅く、肉色は白です。
 いも一個重は「男爵薯」よりも大きい中で、数は「男爵薯」よりも多く、でん紛価は「男爵薯」よりやや低い。褐色心腐は微、中心空洞は少、二次生長は微です。剥皮褐変は無い。
 休眠期間は「男爵薯」よりも短いやや短です。 塊茎腐敗抵抗性は「男爵薯」の弱に対して中、そうか病抵抗性は「男爵薯」の弱に対して強、粉状そうか病抵抗性は「男爵薯」の弱に対してやや強です。ジャガイモシストセンチュウには抵抗性です。
(4)調理・加工特性
水煮調理後の肉質はやや粉、煮崩れはやや少、調理後黒変は微、舌触りは中です。 ポテトチップス及びフレンチフライの褐変は少です。食味は中上に属します。用途は調理用です。
(5)栽培上の注意
褐色心腐及び中心空洞が発生することがありますので、多肥や疎植を避けるなど留意します。
(6)育成従事者
入谷正樹、伊藤武、村上紀夫、松永浩、千田圭一、関口建二、大波正寿、池谷聡、藤田涼平、 吉田俊幸、兼平修

(7)文献及び関連Web
池谷聡、藤田涼平、入谷正樹、伊藤武、村上紀夫、松永浩、千田圭一、関口建二、大波正寿、吉田俊幸、兼平修.バレイショ新品種「スノーマーチ」の育成北海道立農試集報.89,13-24(2005)

池谷聡・藤田涼平・伊藤武・入谷正樹・村上紀夫・松永浩・千田圭一・関口建二・大波正寿・吉田俊幸・兼平修.そうか病抵抗性が”強”の生食用ばれいしょ新品種候補「北育7号」”.平成15年度 新しい研究成果-北海道地域-.56-59(2004.8)

ばれいしょ新品種候補「北育7号」 (PDF版) (農業技術情報広場
そうか病に強い食用ばれいしょ「北育7号」 (PDF版) (平成16年(第22回)農業新技術発表会

そうか病抵抗性が“強”の生食用ばれいしょ新品種候補系統「北育7号」 (研究成果情報 北海道農業(2004))

(8)(附)本格焼酎『訓粋』(くんすい)
 北海道訓子府町のスノーマーチ普及委員会では、本品種100%使用のジャガイモ焼酎を清里町焼酎醸造事業所に依頼してつくり、2010年から発売。『原酒 訓粋』はアルコール分44%、720mlで販売。問い合わせ先訓子府町農林商工課0157-47-5116。



左:「スノーマーチ」の花。 右:「スノーマーチ」の塊茎

*品種メニューに戻る*
*本格焼酎『伯爵』* *本格焼酎『北緯44度』、『浪漫倶楽部』、『オホーツク』、『きよさと』*
*スタート画面へ戻る