(1)来 歴
北海道農業試験場において、平成3年、「北海77号」を母に、「87028−6」を父として交配し、以降選抜育成を加えてきたもです。
北海道の「馬鈴しょ地域在来品種等の増殖申請受入要領」に基づき、道内の公的試験研究機関における1年以上の品種特性試験を実施し、平成16年に北海道の地域在来品種に決まったものです。 農林登録番号は「ばれいしょ農林49号」です。
(2)地上部特性
茎葉の熱性は「男爵薯」よりも遅く、熟期は「べこアカリ」並の中生です。
茎長は「男爵薯」よりも長く、「ペニアカリ」並の中です。茎色は紫です。
そう性はやや直です。花色は赤紫で、自然結果は少です。
(3)地下部特性
いもの形は偏球で、皮色は赤、日の深さはやや浅で、肉色は黄です。いもの早期肥大性は「男爵薯」や「ベニアカリ」より遅く、やや遅に属します。
収量はは「男爵薯」並で劣ります。いも数とサイズは「男爵薯」並です。
二次生長と褐色心腐は「男爵薯」より少ない無、中心空洞は「男爵薯」より多く中です。でん粉価は「男爵薯」よりも高く、中に属します。
そうか病抵抗性は「男爵薯」よりやや強いがやや弱に属します。粉状そうか病抵抗性も「男爵薯」よりは強いがやや弱です。ジャガイモシストセンチュウには抵抗性を示します。
(4)調理・加工特性
煮崩れは「男爵薯」並の中、調理後の肉質はやや粉です。ポテトチップス及びフレンチフライの褐変は「男爵薯」並の中です。食味は「男爵薯」並の中上で、用途は調理用です。
(5)栽培上の注意
中心空洞が「男爵薯」より発生し易いので、浴光催芽(育芽)により萌芽と初期生育を確保し、いもが急激に肥大する粗植、多肥を避けます。
栽培年や栽培地によっては、「男爵薯」より中心空洞が多く発生することがあるので、十分な試作栽培により商品栽培の可否を決定します。
赤皮であるため、緑化や疫病などによる腐敗などの選別が難しいので、収穫、選別時には注意します。