ジャガイモ品種「ヤンキーチッパー」(YANKEE CHIPPER)

(1)来 歴
カルビーポテト鰍ェ米国より輸入し、各種の試験を経て、平成6年北海道の優良品種となりました。原名「ヤンキー チッパー(Yankee Chipper)」。「C6」とも呼ばれています。2001年優良品種から削除された。
(2)地上部特性
熟期は中生で、「トヨシロ」並。倒伏は少ない。萌芽は同品種より若干遅れますが、株揃いは良い。開花は「トヨシロ」程度に推移します。
茎長は「トヨシロ」よりやや短い。分枝は少なく、草型はやや開張し、草勢は強いものです。茎色は緑で、赤紫の斑点が見られます。葉色は淡緑ですが、葉軸は赤色を帯びています。小葉は大きく、密生し、形は中間的です。
 花色は薄紫、花は大きく、花数は中程度。花粉がなく、自然結果は見られない。
Xモザイク病、ジャガイモシストセンチュウに抵抗性である。疫病には「トヨシロ」同様抵抗性遺伝子R1を有し、並の罹病推移をします。そうか病には「トヨシロ」並の罹病を示します。
(3)地下部特性
いもの数は「トヨシロ」並ないしやや多く、一個重が小さく、規格内いも重は「トヨシロ」並ないしやや劣る。
 いもの形は短楕円形で「トヨシロ」よりが肉厚い。皮色は白黄色で、表皮は滑ら価、目数は少なくて浅く、肉色は白で、外観はよい。ストロンはやや短かく、ストロンの離れが良く、いもの着生の深さは中です。
3Lなどの大きいいもは少なく、大きさは揃っています。70g以上のいも収量は多肥ないし疎植でふえる傾向にある。
澱粉価は「トヨシロ」並かやや低い。中心空洞は「トヨシロ」並、二次生長は「トヨシロ」並ないし少ない。
 休眠期間はやや短かく、貯蔵性は普通程度。
ジャガイモYウイルス病を接種した場合のエソ反応は弱く発現します。
(4)加工適性
ポテトチップスに適するが、肉質はやや粘、煮くずれ、水煮後黒変も少なく、他の加工用、食用としても使用可能である。フレンチフライにすると、やや湿となり、「ホッカイコガネ」より劣ります。  チップカラーは早掘り時より「トヨシロ」に比べて勝り、貯蔵後も低温によりカラーは低下するが、リコンディション後のカラーの戻りは良く、比較的長期の低温貯蔵に耐える。
(5)栽培上の注意
 地上部の生育量が少ないと低収となりやすいので、若干多めの肥培管理により生育量を確保し増収を図る。その場合、ストロン(stlonストウロン)がやや離れ難いので、注意が必要です。

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左:「ヤンキー チッパー」の薄紫色の花(カルビーポテト(株)提供)。 右:「ヤンキーチッパー」の塊茎

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