ポテトエッセイ第38話

本格焼酎「十勝野」誕生
【ジャガイモ博物館】
 
=ジャガイモ「コナフブキ」が原料=
<←『コナフブキ』を原料した本格焼酎>
  本格焼酎は原料の違いで、甘さだけでなく、香り、味など微妙な変化があります。このため、北海道でも清里の焼酎以外にも郷土に根ざした多様な焼酎の誕生が望まれています。昭和60年前後から一村一品の模索が高まり、これに昭和62年に農畜産物の自由化品目にジャガイモでん粉が入ったこともあって、十勝農協連がジャガイモに付加価値をつけ、しかも消費者にも喜ばれるものはないかと検討し、本格焼酎の醸造試験を宮崎県の井上酒造に依頼することになりました。
 九州に送った品種は、「紅丸」、「メークイン」、「エニワ」、「コナフブキ」で、それぞれ3tづつでした。これらからできたスピリットを先発焼酎と共に、飲み比べた結果、「コナフブキ」が最も優れ、生野菜臭が無く、甘味があり、風味の点でも優れ、おいしいことがわかりました。
 試験醸造と平行し、1月には、十勝の地方色、さわやかさを表現し、若者や女性に親しまれる名称を募集しました。そして、最終的に十勝地方の大自然をイメージする「十勝野」としました。 「十勝野」は、まず昭和63年十勝管内で発売しました。ラベルはジャガイモの花が満開の十勝平野とし、アルコール度は20度、520mlでした。

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