アメリカで開発した遺伝子組換えジャガイモ(ニューリーフ・ポテト)とは

***日本にはいないコロラドハムシに効果***

Q.日本で安全と認められた遺伝子組み換えジャガイモとは

A.厚生大臣から諮問されていた食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会は、平成9年3月14日組換えDNA技術を応用して製造された食品12品種及び食品添加物1品目のうち、8品種の食品及び1品目の食品添加物について、それぞれ「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に沿って安全性評価が行われていると判断する旨の部会報告を行いました。
その中のジャガイモ(ニューリーフ・ジャガイモNew leaf potato)は Monsanto Company(米国)が開発し、日本モンサント株式会社が申請していたものです。
 この品種は、生物農薬として用いられている微生物から得られた、特定の害虫(コロラドハムシ。日本では未発生)のみに影響を与えるのみでヒトを含むほ乳類には影響しない蛋白質(B.t.t)を産生する微生物由来遺伝子CryVAを導入することにより、コロラドハムシへの抵抗性を持たせたものです。
 これにより、この害虫が発生しているアメリカでは殺虫剤の使用量・散布回数を大幅に減らすことができ、環境保全に資することができる他、害虫は減るのに益虫は減らないといった二次的な効果も期待できる。また、薬剤散布コストの低減、安定した収穫などの効果も期待でき、日本への輸出(冷凍フレンチフライや乾燥したフラワーとして)にも貢献していることでしよう。

注1.申請資料は、社団法人日本食品衛生協会において閲覧できます。
注2.問い合わせ先は、 厚生省生活衛生局食品保健課、食品化学課
     

電 話 (代)03−3503−1711
注3.組換えDNA技術とは、ある生物から取りだした遺伝子を改良しようとする生物に組み込む技術のことで、この技術を用いることにより、目的とする有用な遺伝子をより正確に、かつ簡便に作物に導入し、作物を改良することができるようになります。

【遺伝子組換え一口メモ】
1.「Btタンパク質」って何ですか
  Bt(バチルス・チューリンゲンシス)と呼ばれる微生物に含まれる殺虫成分(アミノ酸)です。
2.「アグロバクテリウム」とは何ですか
  植物にコブをつくったりすることで知られていた微生物ですが、この微生物は自分の遺伝子(T−DNA)を植物に送り込んで、微生物自身が必要とするアミノ酸をつくってもらうという変わった能力ももっています。
3.害虫が死ぬBt−タンパク質を人が食べても大丈夫なの
  害虫の消化管はアルカリ性なので、このタンパク質が十分消化されずに害虫の粘膜の受容体とくっついてしまい、消化管の細胞を壊してしまう。人などのほ乳類、鳥類などでは胃が酸性なので消化してしまうし、腸には受容体もないので安心なわけです。
4.国の安全性確認はどうなっているのですか → 疑問・質問
  それでも心配ならば、選択して買いましょう。もっと心配なものが多いので、大変ですが、自己責任で頑張りましょう。
5.外国から入ってくるジャガイモで心配なことが無いのですか
果物などと違って、ジャガイモはそのまま種子に使おうと思えば、使うことが可能です。その場合、日本で未発生で恐ろしいいろいろな線虫、昆虫、それにウイロイドや癌腫病なども入ってくる心配があり、しかも一度入ってしまうと、その防除に膨大な手間やお金がかかるだけでなく、そうしても根絶が不可能ものが多い。このため、洗浄などで土を完全に落とせない生芋の輸入は非常に危険です。
6.遺伝子組み換えされたもの(GMO)の表示は
 DNA分析技術が進歩してきたので、平成15年より、ジャガイモの冷凍されたもの、乾燥したもの、スナック食品などを表示しなければならなくなった。

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