ジャガイモの

主な 除草剤

 除草剤の使用をなくするため、発芽前後の雑草を作業機の刃やチェーンによって土を移動させたり、乾かすことにより枯殺するため、萌芽期の培土、中耕を行うとか、黒〜グリーンマルチで抑制するなどします。
 それらでも押さえきれないときは、除草剤を使うことになりますが、地域や土性によって、効果や薬害に違いがありますので、注意書き等をよく読んでから使いましょう。

1.ロロックス水和剤(リニュロン)

【毒性、分類】普通物、魚毒A 。アメリカのデュポン社とドイツのヘキスト社が開発した尿素系の非ホルモン型移行性
【処理方法と効果】 土壌中の移動は比較的小さく、安定で、効果の発現は緩慢であるが、残効は長い。 土壌処理効果は広葉雑草に強く発現する傾向であるが、一年生のイネ科雑草にも有効。 シロザ、タデ類、ハコベなどの1年生雑草(イネ科・ツユクサにはやや効果が劣る)。根あるいは葉から吸収された成分が植物の光合成を阻害し、雑草を枯死させる。
【処理時期】雑草発生初期をねらい萌芽前に処理する。
【10a当たりの製品使用量】100〜150g
【使用上の注意事項】
 砂土系で透水性のよい畑や降雨が続く時期の散布は薬害が生じやすいので、使用を避ける。すなわち、砂質で水はけの良い土壌では使用量を控えめにし、雨の多い時期、場所では使用を避けておく。覆土は均一厚めに行う。なお、ニンジン、セルリーに使用する場合、高温時は薬害が生じるので使用しない。

2.センコル水和剤(メトリブジン)

【毒性、分類】普通物、魚毒A 。ドイツのバイエル社が開発したトリアジン系の光合成阻害型除草剤。非ホルモン型で移行性
【処理方法と効果】土壌又は雑草処理。1年生イネ科雑草、広葉雑草に効く
主として雑草の発芽後根から吸収され徐々に枯死させる。本剤は発生前〜発生盛期の雑草に対して効果がある。雑草発生前処理の場合は土壌全面に均一に散布し、発生後の雑草には茎葉も十分ぬれるように散布する。
【使用時期】ばれいしょ植付後〜萌芽直前
【10a当たりの製品使用量】100g
【使用上の注意事項】
1.有機質含有量の少ない砂土系の土壌では薬害を生じやすいので使用をさける。
2.散布後、多量の降雨があると薬害を生ずることがある。
3.土壌の乾燥が続く場合は効果の劣ることがある。
4.品種(メークイン、アーリースターチ等)によっては、葉の黄化等の薬害を生ずることがある。
5.散布機の始動時、枕地等重複散布によって薬害を生ずることがあるので注意する。(ぱれいしょ及び後作の秋播小麦)
6.散布当年の馬鈴しょ後収穫物にだいこん、はくさいを作付けする場合は、処理後100日以上経過してから、は種又は移植する。
7.採種ほ壕では散布が遅れるとウイルス病株と混同されやすいので注意する。

3.バスタ液剤、ハヤブサ(グルホシネート)

【毒性、分類】普通物、魚毒A 。非ホルモン型で移行性
  ドイツのヘキスト社が、天然の殺草性物質をもとに開発した有機リン系の非選択性茎葉処理除草剤。
【処理方法と効果】雑草処理。1年生イネ科雑草、広葉雑草
ほとんどすべての雑草に対し強力な雑草効果を示す。茎葉処理により植物体内に吸収され移行し、アンモニアとグルタミン酸からグルタミンの合成をつかさどるグルタミン合成酵素の作用を拮抗的に阻害する。その結果、過剰のアンモニアが植物体内に蓄積し、細胞損傷、光合成阻害のほか、植物の生理代謝を阻害して枯殺する。散布後2〜5日で変色などの徴候が現われ、7〜14日ほどで雑草は枯死する。多年生雑草も地上部枯死後、再生を長期間抑える。本剤は土壌中で微生物により分解され、根部からの吸収による害作用もないので、散布直後でも移植や植付ができる。
【使用時期】萌芽前(雑草発生期)
【10a当たりの製品使用量】バスタ液剤は200ml、ハヤブサは200〜300ml
【使用上の注意事項】
1.土壌に落下すると速やかに分解するため、雑草の発生後に薬液が十分付着するよう散布する。
2.散布が遅れると萌芽株に薬害を生ずるので注意する。
1.周辺の作物に薬液が飛散しないように注意する。
樹木の幹にかかっても薬害はない。
4.散布後6時間以内に降雨が予想される場合には散布をさける。
5.樹木、芝生など有用植物の茎葉部に薬液がかからないよう注意する。

4.タフガフロアブル(キザロホップエチル)

【毒性、分類】普通物、魚毒B 。日産化学が開発したフェノキシプロピオン酸系非ホルモン型茎葉処理移行性除草剤。
【処理方法と効果】雑草処理。1年生イネ科雑草に効く。すなわち、ノビエ、メヒシバ等の生育期のイネ科雑草のみを選択的に枯殺する。スズメノカタビラに効果が弱い。本剤は葉面から速やかに吸収され、生長点への移行により新葉が黄化する。また同時に下方に移行する。そして生長点および師部の分裂組織に作用して細胞を壊死させる。第一次作用点は脂質の生合成阻害であるとされる。約1週間で枯死するが、温度が低下すると雑草が枯死に至るまで時間が長くなる傾向がある。土壌中では速やかに分解され、圃場における半減期は15日以内と言う。
【使用時期】イネ科雑草の3〜5葉期)
【10a当たりの製品使用量】100〜120ml
【使用上の注意事項】
1.1年生イネ科雑草(スズメノカタビラは除く)に選択的殺草効果を有するため、広葉雑草が混在するときは広葉雑草に効果の高い除草剤と組み合わせて使用する。
2.イネ科雑草が大きくなると完全枯死しないこともあるので遅れないように処理する。
2.効果の発現は遅効性で、完全にイネ科雑草が括死するには5〜10日程度要する。
3.イネ科作物には薬害を生ずるので、薬剤が飛散しないように注意して散布する。
4.目に対して強い刺激性があるので、散布液調整時には保護眼鏡を着用する。

5.ナブ乳剤(セトキシジム)

【毒性、分類】普通物、魚毒B 。非ホルモン型で移行性。 日本曹達が開発したイネ科雑草用茎葉処理除草剤。
【処理方法と効果】雑草処理。ノビエ、メヒシバなど1年生イネ科雑草(スズメノカタビラには効果が劣る)
本剤は茎葉部および根部より吸収され、生長点に移行し新葉の抽出展開を阻害し枯殺するが、効果の完成には5〜10日を要する。残効性は短く、2〜3週間。
【使用時期】イネ科雑草の3〜5葉期)
【10a当たりの製品使用量】150〜200ml
【使用上の注意事項】
1.1年生イネ科雑草(スズメノカタビラは除く)に選択的殺草効果を有するため、広葉雑草が混在するときは広葉雑草に効果の高い除草剤と組み合わせて使用する。
2.イネ科雑草が大きくなると完全枯死しないこともあるので遅れないように処理する。
3.効果の発現は遅効性で、完全にイネ科雑草が枯死するには7〜10日を要する。
4.激しい降雨が予想される場合、使用を避ける。

6.レグロックス液剤(ジクワット)

【毒性、分類】劇物、魚毒A 。非ホルモン型で接触性
【処理方法と効果】雑草処理。すべての雑草にかかると急速に枯らす
【使用時期】茎葉枯凋期又は枯凋後収穫期(収穫7日前まで)
【10a当たりの製品使用量】300ml
【使用上の注意事項】
1.掘取時の雑草繁茂の著しいところでは散布により収穫作業が容易になる。
2.気温が高く、晴天の時を選んで散布する。
3.散布直後の降雨は効果が劣る。
4.本剤は土壌中では、直ちに分解し無毒化する。
5.生育の旺盛な時期の処理はさける。
1.土壌が乾燥しているときに、ばれいしょの茎葉に溶液がかかると、塊茎の維管束褐変を発生させる。

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