ジャガイモ品種「グラウンド ペチカ」「サユミムラサキ」「タワラヨーデル」「タワラマガタマ」「タワラムラサキ」

1 グラウンド ペチカ(デストロイヤー)

○育成経過
 この品種は,平成5年に出願者のほ場において栽培中の「レッドムーン」から,いもの皮色が紫で目が赤い変異株を発見,以後,選抜と増殖を行いながら特性の調査を継続し,8年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。出願時の名称は「ですとろいや」であった。
○品種登録の番号第7893号  平成12年3月30日、その後登録を取り消した。一般には「デストロイヤー」で売られています。画像をよく見ると人の顔にも見えますね。
○特性の概要
 この品種は,「レッド ムーン」の変異株と言われ,いもの形状は楕円形,皮色の1次色は赤,2次色は紫,肉色は黄の調理用品種である。
 叢性はやや直立型,個重型・個数型の別は中間型,茎の長さ及び太さは中,色は赤紫,分枝数は少,葉色は濃緑,小葉着生の粗密は密,葉の毛茸は中,花の数は多,花色は赤紫系,ふく枝の長さは短,いも着生の深浅は浅,長短はやや長。
塊茎の形は長卵,皮色の1次色は紫,2次色(目の周囲)は赤が広く分布。目は浅く,肉色は黄。休眠期間,枯ちょう期及び早期肥大性は中,耐湿性は強,上いも重は多,上いも数は中,貯蔵性は良?,肉質はやや粉?として登録している。【←写真提供:糸賀重雄氏】
 「レッドムーン」と比較して,叢生がやや直立型であること,個重型・個数型の別が中間型であること,皮色の2次色が紫であること,上いも重が多である?こと等で,「ニシユタカ」と比較して,皮色が赤と紫であること,肉質がやや粘であること等で区別性が認められる。としているが、「レッドムーン」は休眠が短くて貯蔵性はよくなく、肉質は粘なので、記載のようにやや粉か不明。品種登録を取り消した理由は不明。
品種登録を受ける者の氏名及び住所又は居所
俵正彦   長崎県南高来郡瑞穂町西郷丁231番地

2 サユミムラサキ
○育成経過
 この品種は,昭和62年に出願者のほ場(長崎県南高来郡瑞穂町)において,栽培中の「メイホウ」から,いもの皮色が紫の変異株を発見したもの。出願時の名称は「ウンゼン ムラサキ」であった。 ○登録の番号 第7894号   平成12年3月30日、その後登録取り消し。
○特性の概要
 この品種は,青枯病に強い「メイホウ」の変異株であり,いもの形状は楕円形,いもの皮色は紫,肉色は淡黄の調理用品種である。
 叢性は中間型,個重型・個数型の別は個重型,茎の長さは短,太さは中,色は緑で葉の付け根は紫,分枝数は少,葉色は緑,小葉着生の粗密は密,葉の毛茸は中,花の数は多,色は紫系,ふく枝の長さは短,いも着生の深浅は浅,長短は中,扁平度は弱,形は楕円形,皮色は紫,目の深浅はやや浅,肉色は淡黄,休眠期間,枯ちょう期,耐霜性及び耐乾性は中,耐湿性は強,早期肥大性は速,上いも重及び上いも数は多,貯蔵性は良,肉質は中である。
「メイホウ」と比較して,いもの皮色が紫であること,休眠期間が長いこと等で,「ニシユタカ」と比較して,いもの形が楕円形であること,いもの皮色が紫であること,休眠期間が長いこと等で区別性が認められる。
○品種の育成者 俵正彦   長崎県南高来郡瑞穂町西郷丁231番地

 俵 正彦さんはこれまでに「メイホウ」から表皮が赤紫の「タワラムラサキ」を見つけているとしている。青枯病には「メイホウ」並ですが、ストロン付けね付近がくさる尻腐症状が出にくいとか「ニシユタカ」よりそうか病に強いと言われ、商品名「紫式部」でも販売しているらしい。

3 タワラヨーデル
○育成経過
 この品種は,平成4年に出願者のほ場(長崎県南高来郡瑞穂町)において,栽培中のアンデス赤から,いもの形がまが玉状の変異株を発見したもの。
 なお,出願時の名称は「ヨーデル」,出願公表時の名称は「アルペン トップ」であった。
○登録の番号  第8214号   平成12年7月31日、その後登録を取り消した。
○特性の概要
 この品種は,アンデス赤の変異株であり,いもの形はまが玉状,いもの皮色は全体が赤,肉色は黄の調理用品種である。
叢性はやや直立型,個重型・個数型の別は中間型,幼芽の色は赤,茎の長さ及び太さは中,色は赤,葉色は緑,花の大きさは中,色は赤系,ふく枝の長さは短,いも着生の深浅は浅,長短は極長,扁平度は弱,形はまが玉状,皮色は赤,表皮の粗滑は滑,目の深浅は極浅,肉色は黄,肉質はやや粉である。
 「デジマ」と比較して,いもの形がまが玉状であること,皮色が赤であること,肉色が黄であること等で,「アイノアカ」と比較して,いもの形がまが玉状であること,皮色が赤であること,表皮の粗滑が滑であること,肉質がやや粉であること等で区別性が認められる。

4 タワラマガタマ
○育成経過
 この品種は,平成4年に出願者のほ場(長崎県南高来郡瑞穂町)において,栽培中のアンデス赤から,いもの形がまが玉状で皮色の二次色が紫の変異株を発見したものである。
 なお,出願時の名称は「ヨーデルムラサキ」,出願公表時の名称は「アルペン グズリー」であった。
○登録の番号及び年月日   第8215号 平成12年7月31日。その後登録を取り消した。
○特性概要
 この品種は,アンデス赤の変異株であり,いもの形はまが玉状,いもの皮色が一次色が赤,二次色が紫,肉色は黄の調理用品種である。
叢性はやや直立型,個重型・個数型の別は中間型,幼芽の色は紫,茎の長さ及び太さは中,色は緑,葉色は緑,花の大きさは中,色は赤紫系,ふく枝の長さは短,いも着生の深浅は浅,長短は極長,扁平度は弱,形はまが玉状,皮色の一次色は赤,二次色は紫,表皮の粗滑はやや粗,目の深浅は極浅,肉色は黄,肉質はやや粉である。
 「デジマ」と比較して,いもの形がまが玉状であること,皮色の一次色が赤,二次色が紫であること,肉色が黄であること等で,「アイノアカ」と比較して,いもの形がまが玉状で,皮色の二次色が紫であること,表皮の粗滑がやや粗であること等で区別性が認められる。
○育成者氏名    俵正彦

5 タワラムラサキ
○育成経過
 種苗法よよる品種登録したものの(第5309号)、後で取り消しました。
 この品種は、昭和62年に青枯病に強いことで知られた「メイホウ」の畑の中から皮色が紫色に変異した個体を発見し、その特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。その後登録は受理されている。
なお、出願時の名称は「サン カラー プルプラ」であった。
○特性概要
いもの形は楕円形、皮色が紫色の調理用である。
叢生は中間型、茎の長さは短、太さは中、茎翼はやや並、茎は緑で赤紫の斑紋がはいる。分枝数は小である。萌芽時の葉色は帯紫。葉色は緑、頂小葉及び小葉の形は広である。
 花の数は多、大きさはやや大、色紫系で両面の先は白い。
 枯凋期は中、初期生育はやや速、早期肥大性は速、上いも重及び数は中である。
 澱粉価はやや低、肉質は僅か粘、煮崩れの程度は少、食味はやや?中上である。
 ふく枝の長さは短、いもの長短は中、形は楕円形、個数型・個重型の別では個重型。、 表皮の粗滑、目の数は中、深浅は浅、肉色(1次色)が紫で、目とまゆ部に白黄の斑紋が入る。
「メイホウ」と比較して、皮色(1次色)が紫で、目、まゆ部に白黄の斑紋が入ること等で区別性が認められる。
○育成者は、長崎県南高来郡瑞穂町西郷丁231番地 俵 正彦。



*種苗登録品種(取り消し等)*
http://www.jrt.gr.jp/var/varindex3.html
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