ジャガイモ こどもの質問やさしいジャガイモつくり、など

どんな作物なの?  ジャガイモは、ナス、トマト、タバコに近いナス科の植物(しょくぶつ)なの。原産地(げんさんち:生まれこきょう)は南アメリカのアンデス山脈(さんみゃく)と言われているんだ。そこは6000メートルをこえる山もあり、チチカカ湖(こ)も富士山より高いところにあるからおどろきだ。日本から地球をくしざしすると南アメリカにささるよ。
ジャガイモは日本に古くからある作物ではないんだ。日本には、やく400年前の徳川家康が かつやくしていたころインドネシアのジャカルタから長崎(ながさき)県に入ったらしい。そう、「ジャガタラ」からきたのでジャガタライモ、ジャガイモと呼ばれたのだ。産地で知られる北海道や市場などでは「ばれいしょ」ともよばれているけど。
 じゃがいもにはたくさんの品種(ひんしゅ、しゅるい)があって、うす赤紫、白、紫などのきれいな花がさき、黄緑でトマトをぐっと小さくした実をつけるのもあるよ。(スタート画面の写真)
どこでたくさん
栽培(さいばい)している?
 つくる時期(じき)はちがいますが、全国各地で栽培されています。とくに、ジャガイモの原産地ににて涼しい北海道では、日本全国の収穫量(しゅうかくりょう:とれるりょう)の8割(わり)近くも生産してダントツ。このほか長崎(ながさき)県、鹿児島(かごしま)県(はなれれ島もいれて)、茨城(いばらき)県、青森県、宮城(みやぎ)県、福島(ふくしま)県、千葉県、長野県などでもたくさん植えられているよ。
 世界てきには、国土の広いロシア、ウクライナの旧ソ連とか、中国で多く、ポーランド、アメリカ、インド、ドイツ、オランダなどでもたくさんつくられている。
そして、たくさん食べているのは、ポーランドやロシアで、年間100キロをこえている。ドイツやオランダでも70キロ以上もたべるけど、日本ではごはんを食べるため16キロを超えているていどしか食べていない。
北海道の栽培風景問を見る
ジャガイモには
ビタミンが多い
ってほんと?
 ジャガイモはデンプンばかりと思っていないかい。フランスやオランダではジャガイモを『大地のりんご』とよんでいるが、ジャガイモの中のビタミンは「ごはん」と「りんご」を加えたものより多い。つまり、肉が黄色の「キタアカリ」などはビタミンAを含み、どれもビタミンC、B1、B2、B3、パントテン酸(さん)、葉酸(ようさん)などのビタミンやカリウムを多くふくんでいるよ。だから、おじさんは『美と健康(けんこう)の泉』と呼んいるのだ。
ジャガイモの
デンプンを
見たい!
 ジャガイモを切ったほうちょうを少しおいて見ると、いものしるがかわいたあとに白いこながついていないかい。これがじつはでんぷんだ。
ジャガイモをきってきり口をスライドガラスにこすりつけ、カバーガラスをかけて300倍くらいのけんびきょうでのぞいて見ると貝がらか卵の形をしたでんぷんが見えるよ。
ジャガイモを安全かみそりなどでできるだけうすく切り、いちばんうすいところにカバーガラスをかけてけんびきょうでのぞいて見ると細胞(さいぼう)の中のでんぷんを見ることもできるよ。うすく切ったジャガイモや、スライドガラスにこすりつけたでんぷんにヨウ素えきをスポイトからたらし、けんびきょうで見ると青くそまって見やすくなるぞ。
でんぷん粒
つくりかた教えて!   1.種いもの用意(ようい)(種いもは専門店からかうべし)
 まず、種いもはかならず専門店から買うこと。スーパーなどで売っているものは目にみえないウイルス病(人には無害の)にかかっているのが多いので、これを植えると葉がちぢんだりするよ。
さいきん品種(しんひんしゅ)の数がふえたが、粉ふき、サラダ、コロッケなどの生食用なら肥大の早い『ワセシロ』や同じく早生の『男爵薯(だんしゃくいも)』、とかビタミンCの多い『キタアカリ』が無難だ。
煮物(にもの)とか、おでんなどが好きなら、煮崩(にくず)れしない『メークイン』、『ホッカイコガネ』、『ニシユタカ』なとがいいだろう。
2.浴光催芽(よっこうさいが)(勝負(しょうぶ)はスタートがカンジンだ)
  植える前に太くてじょうぶな芽を出しておくといい結果が期待できるよ。ジャガイモを20℃以下の光のあたる場所におくのがいい。夜冷(ひ)えるときはおおいをしてやろう。
 この浴光の期間は、細長く肉が乾燥(かんそう)しやすい『メークイン』では20日ほど、その外のものは30日ほどがいいので、植える予定の日から逆算(ぎゃくさん)して始めよう。
3.どんなとこにいつころ植えるのがいいか(ジャガイモは涼しく、湿らないとこが好き)
 アンデス高地生まれのジャガイモは、10〜22℃とすずしいく、やや乾いて肥沃(ひよく)なところが好きだ。これに近いところとしては夏涼しい北海道しかありませんが、暑い九州などでも梅雨(ばいう)と真夏を避ければ、春と秋の2回栽培できる。
 一日のうちで、地温が9℃を越える日がでてきたら、土がかわいているなら種いもを早めに植えていい。暖地は2〜3月、北海道は5月上旬が基準です。マルチや不織布(ふしょくふ。パオパオなど)などで寒さを防ぐことができれば、もうすこし早く植えることができます。
4.種いもの大きさと切り方(種の芽は均等(きんとう)に分けてやる。親からたくさんの弁当をもらった子は競争に勝つのだ)
 種いもの重さは大きめの40〜50グラムだと後ほどよい生育をするよ。小さいほど生育初期の栄養分が不足して負けちゃうよ、でもやたら大きいと種いも代がむだになるのだ。
 けっきょく、小さいいもは切らずにそのまま、中いもは2つ、大きいのは4つに切ればいい。切るときには、芽が集っている頭のあたりを通るように縦(たて)に切ろう。そして、切り口に木灰をつけるとくさることが多いので止めよう。
5.植え方(種いもは30センチはなし、土を3〜5センチかけてやる)
 芽ののびているのは、芽をとったりしないでそのままそっと、芽の多い方を上にして植え、3〜5センチ土をかけてやる。
 1平方メートルにつき、5〜7個植えます(うね幅75センチ、株間30センチほど)。 植える時期は(地温が9℃を越える日を待って)なるべく早い方がいいだろう。
 土の水分は、土をにぎってみて、くずれず、しかもそれにさわるとすぐくずれるていどがいい。にぎるとだんごのようになるのは水分が多く、土が指の間からサラサラおちるのは乾きすぎだ。
6.肥料(ひりょう)
 植える前にチッソ、リンサン、カリの入った化成肥料(かせいひりょう)を10平方メートあたり1キロほど入れ、まぜます。野菜(やさい)のよくできる肥(こ)えた土ならチッソやカリ肥料をひかえるようにするとホクホクジャガがとれるよ。堆肥(たいひ)や鶏糞(けいふん)などは前作物にやって地力をつけておけは最高だ。その年にやるといつまでも青あおして、水っぽいイモになりやすいよ。
7.出始めの管理(かんり、草取り、中耕)〜土寄せ)
 地面から芽が出はじめたら、天気のいい朝草取りを兼ねて土の表面をときどきひっかいてやろう。こうすると草を殺し、士が乾いて地温が上がり、生育が早まるよ。
丈が20センチほどになったら、くわで茎の根もとに土を寄せてやろう。多少葉がかくれても気にしない。生育にあわせて、2回に分けてやってもいい。できあがりの山と谷の差は20〜25センチていどだ。
これをわすれたり、土のかたまりをかけたりしておくと、あとでいもの表面の一部が緑になり、これを食べるときえぐみ(グリコアルカロイド)の原因になってしまうよ。
せいりてきしょうがいのふせぎかた
8.病害虫を防ぐ(葉裏にかびが出たらすぐ薬をまく)
 病気としては疫病(えきびょう)というカビが重要だ。これを防いでおかないといもがレンガ色に腐ったりします。害虫としては、オオニジュウヤホシテントウとアブラムシが出てくることがある。虫やアブラムシの種類で農薬も変わってくる。とりあえず、疫病だけは葉の裏にカビが見えたら銅剤などを10日おきにかけてやる。
病気や虫のふせぎかた
9.収穫(しゅうかく)(あつかいは卵のようにていねいに、光にあてないで)
 花が終わり、葉の緑がしだいになくなり、ほとんどの葉がなくなってから、土の乾いた日に収穫してみよう。早生(わせ)品種は植えてから3ヶ月、おそい『ホッカイコカネ』のようなものではほぼ4ヶ月かかる。収穫するとき、らんぼうに扱うと傷がつき、後で腐るよ。  いもの表面がよく乾いたら、食べる時期まで、すずしい光の当たらない場所に保管(ほかん)しておこう。このへんはサツマイモとちがうので注意しよう。
10. 種いもの切り口にアクをつけるのはよくない
ジャガイモをしゅうかくするときとか、袋からこぼしたときとかに、いもの表面に傷がつきます。種いもを包丁で切ったときはジャガイモにとって生まれて初めての大きな傷なのです。そのようないろいろな傷をなおそうとするのがキュアリング(治癒)です。そうしていって、終わりにはコルク質のかべをつくります。そのキュアリングには、秋や初冬のような寒いときはゆっくりで日にちがかかり、15℃とか20℃とかの高めでは早くコルク化までいくことができます。そして乾くときはコルク化が遅れやすい。アクをつけるとコルク化が遅れ、畑に植えたあとでも腐敗しやすくなりますので、やらないほうがいいのです。
アクは自然にある木とか落ち葉を燃やしてできたものですが、カリ分などを含んでいます。しかし、それを切り口につけた程度では増収することもありません。
ジャガイモの
葉の出方を見よう
 ジャガイモが10センチほどのびてから、まず一番長い茎1本を残してのこりのものをとってしまう。このとき地面をかた手でおさえ、茎をひねるように引きぬくとうまくいきます。ひとつ基準(きじゅん)とするえだ葉をきめ、そこからその次に出てきたえだ葉との角度(かくど)をはかってみます。だいたい137度(ど)ぐらいでないですか。その次がでたらまたはかって見ましょう。前のえだ葉とはぜったい重なっていないだろ。太陽のひかりをたくさん受けて、でんぷんをたくさんたくわえるようにがんばっているんだね。ところで、つぎつぎとでるえだ葉は時計まわりでしたか、反対でしたか。おともだちのはどっちまわりでしたか。


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