例えば、粉状そうか病を例にしても、栽培講習会のおりは約1時間かけて、話すものをここでは数行にまとめてあり、多眼的視野のものは短く省略している。
また、農薬登録の有無や変更、各地の防除基準、耐性菌や虫の出現などによる薬効の変化などについてもしばらくチエックしていないので、農薬の選択などにあたっては、使用上の注意をよく読むなど、使用者の責任で対応していただきたい。
症状の確認をしたい方は、次を見てください。
【記述した目次】
T 病害防除
1.黒あざ(痣)病
2.そうか(瘡痂)病
3.粉状そうか病
4.黒あし(脚)病、輪腐病
5.疫病
6.菌核病
7.軟腐病
8.乾腐病
9.銀か病
10.炭そ(疽)病
11.黒斑病
12.半身いちょう(萎凋)病
13.紅色斑点病
14.塊茎えぞ病
15.ジャガイモ粘性腐敗病 Slimy rot
16.ジャガイモ萎凋病 Fusarium wilt
17.ジャガイモ褐斑病 Leaf blotch
18.ジャガイモ葉腐病 Foliage blight
U 虫害防除
1.ナストビハムシ
2.ケラ、コガネムシ類
3.コメツキムシ(ハリガネムシ)類
4.ケラ
5.オオニジュウヤホシテントウ
6.アブラムシ類
7.ヨトウガ
8.ジャガイモシストセンチュウ
9.キタネコブセンチュウ
10.イモクサレセンチュウ
11.ミナミネグサレセンチュウ
12.ジャガイモガ
秋処理の場合は、消毒後の塊茎表面が乾くよう、キュアリング時、十分通風する。消毒種いもの貯蔵に当たっては、塊茎表面のぬれは腐敗を助長する恐れがあるので避け、適正な湿度を保つ。粉衣処理は種子重量の0.3%を粉衣する。浸漬処理では、所定濃度の薬剤を200kg当たり5〜6 l 散布するか瞬間浸漬する。
アグリマイシン100の浸漬処理は、黒あし病、そうか病に効果があるが、処理後は十分乾燥させ、処理した種いもは食用や家畜の飼料にしない。
3.粉状そうか病
4.黒あし(脚)病、輪腐病
付.ケミクロンGを使って切断刀を消毒するときの注意
5.疫病
疫病を耕種的に防ぐには、次のようにする。
付.フェニルアマイド系薬剤について
7.軟腐病
12.半身いちょう(萎凋)病
13.紅色斑点病
14.塊茎えそ病
付.発生が少なく、その防除がはっきりしていないものですが、参考までに載せておきます。(ジャガイモ博物館)
15.ジャガイモ粘性腐敗病 Slimy rot
16.ジャガイモ萎凋病 Fusarium wilt
17.ジャガイモ褐斑病 Leaf blotch
18.ジャガイモ葉腐病 Foliage blight
1.ナストビハムシ
2.ケラ、コガネムシ類
3.コメツキムシ(ハリガネムシ)類
4.ケラ
5.オオニジュウヤホシテントウ
6.アブラムシ類
8.ジャガイモシストセンチュウ
10.イモクサレセンチュウ
11.ミナミネグサレセンチュウ
12.ジャガイモガ
2.そうか(瘡痂)病
ストレプトマイセス族放線菌による症状は、隆起型、陥没型、象皮型など多様であり、数種知られている。次の粉状そうか病では病斑がやや小さく、その周辺に周皮がついていて、湿潤、低pHででやすく、その防除方法がそうか病とは違うので、まずよく区別しておく必要がある。
次の耕種的防除を実施する。
(1)無病種いもを植付ける。
(2)輪作を行う。
(3)土壌pHの高いほ場での栽培を避ける。
(4)粗大有機物を鋤込まないように留意する。
(5)澱粉工場のデカンター廃液中には、そうか病菌が存在するので、使用の場合は注意する。
(6)硫酸第1鉄(フェロサンド)施用によって、ばれいしょ生育期の土壌pHを5.3以下に調整し、塊茎形成期から7月までの期間、潅水チューブを用いて土壌pF値2.3を目安に保持すると、そうか病菌高汚染ほ場でも60以上の防除価が得られる。
(7)着蕾期から1か月ほどの塊茎肥大初期の土壌が乾燥していると被害が多くなりやすい。このため、マルチ時の水分、培土、土壌の排水、保水性などにも注意する。
北海道では劇物Cの土壌消毒剤クロールピクリンの使用は認められていない。
硫酸第1鉄(フェロサンド)施用上の注意事項
(1)施用は当面1ほ場1回に止める。
(2)施用対象土壌は、中粗粒質の淡色黒ボク土に限定する。
(3)施用によって、土壌中のりん酸の不溶化による作物への影響が考えられるので、土壌中の可給態りん酸の含有量に留意して施用する。
(4)pHを下げすぎないよう施用量には充分注意を払う。
薬剤防除:そうか病の種いも消毒は、浸漬処理所定濃度の薬剤を200kg当たり5〜62散布するか、又は5〜6秒間瞬間浸漬して行う。
石原バイオサイエンス株式会社のホームページより
1.フロンサイド水和剤
広範囲の病害にききますが、ジャガイモについては疫病、菌核病、夏疫
病に
は茎葉散布で、そうか病については植付期前の種いもの瞬間浸漬で効果が見
られます。(粉状そうか病の記述はない)
2.フロンサイド粉剤
そうか病、粉状そうか病に対し10a当たり30-40kgを植付前に畑全面に散
布混
和してやると効果があります。使用量は書いていませんが種いも浸漬にも
可能。 −2014.2 現在 −
弱 い
キタアカリ、とうや、アスタルテ、紅丸、など多くの品種
男爵薯、トヨシロ、農林1号、ホッカイコガネ
やや弱い
コナフブキ、メークイン
中くらい
アトランチック、オホーツクチップ、インカレッド、シマバラ
やや強い
スタークイーン
強 い
メーキングラセット、スノーマーチ
ごく強い
ユキラシャ
農薬としては、普Cフロンサイド粉剤、普Cネビジン粉剤がある。砕土を十分
行った後、植付前に、前者で40s、後者では60sを畑全面に均一に散布
し、土壌とよく混和する。
この他、耕種的には、(1).無病いもを植付ける。
(2).トマトやナスの根にも寄生するので、それにもきをつけて輪作を行う。
(3).排水不良の常発畑での栽培はさける。
(4)この糸状菌は家畜の消化管でも生存できるので、捨てたものを家畜に与えないこと。
(1)発病ほの種いもは、絶対に用いない。
(2)自家採種ほでも発病ほでは、数年間採種しない。
(3)病株は早期に抜きとり処分する。
(4)露地貯蔵する時は排水がよく、融雪水などの流入しないところに貯蔵する。
(5)一般ほ用の種いもは後に切り、切断後の種いもは別の袋にいれる。
(6)ミニコンテナの消毒(輸腐病、乾腐病、そうか病)
コンテナは十分水洗いしてから消毒する。
塩化ベンザルコニウム(20%)〔アンチジャ−ム20〕 250倍
中性次亜塩素酸カルシウム(70%)〔ケミクロンG〕 1000倍
この消毒は黒あし病、輪腐病の発生が心配な場合に行う。Xウイルス病の防除以外には期待できない。
(ア)消毒液を調整する場合は必ず屋外で行い、容器は非金属性のものを用いる。また調整に用いる水は8℃前後の冷水とし、よく攪拌(かくはん)する。
(イ)屋内で消毒作業を行う場合は調整液を屋外にl時間くらい放置してから屋内に持込む。なおハウス内で作業する場合には、ハウスのすそを開け換気をよくする。
(ウ)塊茎を1個切るごとに5秒間浸漬。
(エ)作業中は必ずマスク、ゴム手袋を着用する。
(オ)使用後の切断刀は水洗いをし、油をよく塗っておく。
(カ)消毒液の使用は、調整当日のみとし翌日の使用はさける。なお、残液は河川などに絶対流さない。
使用可能農薬は多数実用化されている。普Bグリーンペンコゼブ、普BカーゼートPZ水和剤、普Cフロンサイド水和剤、普Cダコニール1000、普Bゲリ一ンエムダイファー水和剤、普B銅水和剤(銅44〜55%)、普BフェスティバルC水和剤(600倍、軟腐病には400倍)、ランマンフロアブルなどあり、
夏疫病にたいしては、グリーンダイセン。普Bグリーンペンコゼブ水和剤、普Cダコニール、ホライズン、アミスター20、プロポーズなどがある。
(1)無病いもを植付ける。
(2)多窒素栽培をさける。
(3)予防的防除を徹底する。また,疫病の発生予察システム(北海道病害虫防除所のFLABSなど)による初発生期予察情報を活用し、初期防除の適正化をはかる。
(4)収獲は晴天の日に行い、十分に塊茎を乾燥させて仮貯蔵する。本貯蔵ではよく選別し、さらに種いもに限って生石灰をいも重量の100分の1程度を混和して湿度を下げると、炭そ病にも効果がある。ただし処理したいもは食用には供さないこひと。
(5)フロンサイド水和剤、ランマンフロアブルは、疫病菌による塊茎腐敗にも有効である。
(6)フロンサイド水和剤、ダコ二一ル1000は、人によりかぶれを生ずることがあるので注意する。
(7)ホライズン ドライフロアブル(有効成分ファモキサドン、シモキサニル) 疫病、茎疫病、夏疫病に効果がある。
(8)アミスター20フロアブル及びプロポーズ顆粒水和剤は 夏疫病、疫病に効果がある。
(1)フェニルアマイド系薬剤(リドミルMZ、サンドファンM、サンドファンC、クリーンビッター)の耐性菌が検出された地域では使用しない。
(2)耐性菌未確認地域においても、疫病の基幹防除薬剤として使用しない。
(3)リドミルMZは、薬剤感受性疫病菌による塊茎腐敗に対し、500倍の生育前半3回散布で防止効果が認められるが、加工、生食用馬鈴しょで、この目的でやむをえず使用する場合も、耐性菌出現の恐れがあるため、単用では使用せず、必ず基幹防除剤(グリーンペンコゼブ等)を疫病対象として加用し(加用量はグリーンペンコゼブで50g/10a)、散布間隔は基幹防除に合わせ(7日前後)、生育前半(7月末まで)3回以内の使用とする。なお、サンドファンM、サンドファンC、クリーンヒッターは塊茎腐敗防止効果が認められていないので、使用しない。
(4)リドミルMZは、耐性菌による塊茎腐敗に対しては、効果がない。
6.菌核病
普Cフロンサイド水和剤、普Aスミレックス水和剤、普Bダイセド水和剤を茎葉散布する。スミレックス水和剤はあぶらな科野菜、特にはくさい、だいこん、ぶどうに薬剤を生じる恐れがあるので注意する。普Cフロンサイド水和剤は疫病の同時防除が可能である。散布時期としては、開花始後約2週間又は、第1花房開花盛期に第1回、その後10日目とする。
発病初期からの茎葉散布に使う農薬としては、普Aアグリマイシン100、普Aスターナ水和剤、普Bダイセド水和剤、普Bバクテサイド水和剤、普Aカセット水和剤がある。
(1)多窒素栽培をさける。(2).7〜8月が高温多雨のとき発生しやす(3).第1回目の茎葉散布は初発(小葉の発病)後、直ちに茎葉散布する。
8.乾腐病
数種の菌があり、農薬登録もない。
(1)予め、茎葉を枯しすた場合は、周皮が十分固まってから収穫する。
(2)収穫はていねいに行ない、いもに傷をつけないようにする。
(3)収穫したいもは、傷を癒すため約10〜15℃で、適度の湿度のあるところに数日おく。コルク化後は低温貯蔵がよい。しかし、低温では銀か病、指斑病が多い傾向にある。
(4)輸送、貯蔵時は高温多湿を避ける。7℃以上になると活発になり、多湿を好む菌が多いので、ときどき調べ、種いもを受けとったなら、直ちに袋を開け、風通しのよい、温度の低いところにおき、ゆっくりコルク化させる。
(附)マルチングは軟腐病にかかり難い傾向にありますが、倒伏するとその効果はでない。下の葉が枯れて落ちやすい品種はかかり難い。品種「タルマエ」は弱かった。
9.銀か病
広く分布している菌であるが、わが国では、登録のある防除薬剤は知られていない(2000年現在)。
(1)種いもは無病のものを用いるほうがいい。
(2)成熟塊茎は多湿な土壌に長く放置すると発病程度が激しくなるので、北海道では、土の乾きやすい早めの時期に掘取る。
(3)収穫後早めに風乾し、濡らさないようにする。
(4)貯蔵はできるだけ低温で貯蔵する。
10.炭そ(疽)病
(1)病斑の見られるものを除去する。
(2)効果は確認されてはいないが、種子消毒を実施し、切断刀でうつることもあるので、ケミクロンGで5秒間浸漬してから切断する。
(3)連作、過作を避ける。
(4) 収穫間近の茎の地際の表皮がはげ、暗灰色〜褐色になり、表面に黒色の小粒点が見られる畑では茎を集めて焼却しておく。
(6)種いも貯蔵前に消石灰をいも重量の1%の割合で粉衣する。
(7)露地貯蔵の場合、堆積山の幅を狭くし、過度の覆土を避ける。春は堆積山の雪を除き、いもの掘り上げは遅れないように実施する。
11.黒斑病
(1)本病に対する登録農薬はない。疫病と菌核病に効果のあるフロンサイド水和剤、疫病と夏疫病に効果のあるグリーンペンコゼブ水和剤などを取り入れた疫病防除をおこなっておく。
(2)浴光催芽して、芽が出ていないものは除去して植える。
(3)健全な状態で枯凋を迎えるようにする。
(4)収穫機は傷の発生の少ないものを使い、丁寧に行う。
(1)病原菌は主として土の中では小さな菌核の形で生存して、土壌伝染をおこし、塊茎組織内では菌糸体で生存して種いも伝染もするので、発病圃場の種いもを使はない。
(2)発病圃場産の種いもを移動させない。
(3)ジャガイモや本菌に感受性が高い作物の作物を極力避け、非寄主や感受性の低い作物を選択して植える。少〜中発生の圃場や微小菌核の密度が低い圃場では、本菌に感受性が高い作物の過作は避け、5年以上の輪作を心がける。
Pyrenochaeta属菌による。塊茎では、表面に淡い紅色の斑点がみられ、地下部茎、根も紅色に変色する。
防除薬剤の登録はない。罹病根の残さとともに土壌中に残存し、伝染源となる。菌は罹病塊茎によっても畑に持ち込まれると思われる。一般土壌病害に準じ、連作を止める外、寄主となる作物を減らした輪作を実施しておく。なお、トマトでは、登録はないが、クロロピクリンによる土壌消毒が有効とも言われている。しかし、他の病原菌への影響をも考慮する必要がある。
PVYウイルスによっておこされます。欧米で知られるジャガイモ塊茎えそ輪点病に近いもの。塊茎に陥没したえそ症状、黒目、ミミズ腫れが見られる。地上部では茎にえそ斑が見られる。西南暖地(長崎県ど)のニシユタカなどに見られます。防除対策としては、合格証票のある正規種芋を使い、種子更新を励行し、ワタアブラムシ、モモアカアブラムシの防除を徹底すること。
病原:Clostridium spp.。Clostridium属の細菌で、ジャガイモの塊茎に腐敗をおこす数種があります。つまり、ペクチン分解能が強く、桃色集落を形成するC.puniceum、白色集落菌株、ペクチン分解能の弱い菌株、低温で生育する菌株などがあるという。
病徴:
主として収穫後の塊茎にみられます。圃場が豪雨などにより冠水して、土壌の酸欠状態が続いたときなどにみられます。
この細菌は塊茎組織のみで増殖し、内部を軟化腐敗させます。病原細菌の産生するガスで表面が膨潤しますが、表面の変色はほとんど見られません。しかし、表面に傷がつくと腐敗した組織や細菌の粘塊があふれ出てくるので確認されることになります。
この溢出した腐敗組織液は白ないし桃色を呈し、強い粘りを示す。この際多量のガスと酪酸臭を放ちます。
伝染:
病原細菌は土壌・塊茎に存在することから、土壌および塊茎伝染するものと考えられております。
貯蔵塊茎では、表面に水滴が付着していた場合に、圃場では浸水、冠水などにあって初めて発病してきます。
病原菌:Fusarim oxysporum Schlechtendahlの1系統。糸状菌の一種であり、不完全菌類に属している。
病徴:地上部が萎凋します。はじめ下葉が萎凋退色して、光沢を失い、のち帯黒緑色となって枯死していきます。北海道において、7月始から8半ばにかけて、わずかに見られることがあります。
被害茎の維管束が褐変し、ときにその部分に淡紅色ないし白色のかびがみられます。
病原菌:Mycovellosiella concors(Caspary)Deighton【病名目録1−3:Cercospora concors】
糸状菌の一種で、不完全菌類に属します。気孔から無色ないし淡黄褐色の分生子柄を叢生し、その上部が無色〜淡褐色、円筒形〜細い棍棒状の分生子を形成します。分生子の発芽適温は20℃前後です。
病徴:葉の裏側に不整円形、または雲形状の不鮮明な黄褐色斑点を生じますが、その周縁は大きいものでも不明瞭です。この斑点に色は淡紫灰で、ビロード状のかびを生じます。葉の表側は黄褐変するにとどまっています。始めは下葉に見られますが、しだいに上の葉に出てきます。防除農薬は疫病に準じ、連作、過作を避けるのがよい。
病原菌:Thanatephorus cucumeris(Frank)Donk【Rhizoctonia solani Kuhnの完全時代。 AG-3, IV】
黒あざ病菌のAG-3によります。生育後半、葉に小型斑点がみられます。
生育期に湿度が高いときに発生拡大します。窒素の多用を避ける。
U 虫害防除
【ジャガイモ博物館】
植付前〜植付時に植(播)溝施用する農薬としては、劇BエカチンTD粒剤、劇Bダイシストン粒剤、劇B-Sエチメトン粒剤6があり、萌芽期に茎葉散布するものとしは、劇Cベジホン乳剤劇Bバイジット乳剤、劇Bルビトックス乳剤がある。
各剤ともアブラムシ類に効果がある。萌芽期より発生に注意し、成虫の侵入中期から盛期に7〜10日間隔で2回くらい茎葉散布する。
* 塊茎の症状*へ行く(sindant.html)この後半のno.45 に画像あり。
ケラやコガネムシの幼虫の防除には、植付け、定植前に劇B-Sダイアジノン粒剤5の4〜6kgを全面処理または作条処理をする。
劇物B-Sのエチメトン粒剤6(6〜9s)を植付前に全面施用または植溝施用する。
劇物B-Sのダイアジノン粒剤5(6s)を植付前に施用するには、耕起して土の軟かいうちに全面散布して、直ちにデスクハローなどをかけ土と混和する。
http://potato-museum.jrt.gr.jp/sindant.html の後半のno.46 に画像あり。
(1)萌芽時より発生に注意し、デナポン水和剤、ダイアジノン水和剤などによる早期防除に努める。
(2)デナポン水和剤はナストビハムシ及びワタアブラムシにも有効である。蚕毒、魚毒の強いアディオンは北海道では使用が許されていない。
(1) 薬剤防除
(1)アブラムシ類はウイルス病を媒介するので防除を励行する。
(2)播溝施用粉剤は原採種ほては必ず使用する。その薬効は施用後50〜70日で低下する。
(播溝施用)
劇B工カチンTD粉剤、劇Bダイシストン粉剤、劇B(8)ジメトユート粉剤、劇Aアドマイヤー1粒剤。
(茎葉散布)
普Aオルトラン水和剤、劇Bアリルメード乳剤、劇B工カチン、劇Cベジホン乳剤、劇Aアドマイヤー水和剤、劇Aモスピラン水溶剤、劇Bデナポン水和剤、劇Cサイハロン乳剤、普Cエンセダン乳剤、劇Aエストックス乳剤、劇Bルピトックス乳剤、劇Bバイジッド乳剤、普Bスミチオン乳剤、普Bトレポン乳剤、劇CペイオフME、劇Cマプリック水和剤20普、Aチェス水和剤普Aベストガード水溶剤。
(2) 耕種的防除と留意点
(1)採種は及びその周辺の環境を整備する。
(2)無病いもをは種するとともに輪作を行う。
(3)発病株の早期抜取りを徹底する。
(4)野ら生えいもを早期に処分する。
(5)採種ほでは熟期を遅らせないために浴光催芽を実施し、地帯別の施肥標準を守る。
(6)アブラムシの種類によって薬剤の効果が異なるので注意する。
(7)ウイルス病が多発傾向にある場合は採種ほだけでなく、一般ほでもアブラムシ防除を行い、ウイルス病伝染源の低下に努める。
(8)アブラムシの種類によるウイルス病の伝搬に違いがある。
モモアブラムシは、葉巻病、Yモザイク病、Sモザイク病、黄斑モザイク病、キャリコ病等のウイルスを伝搬し、同様にジャガイモヒゲナガアブラムシは葉巻病を、ワタアブラムシはYモザイク病、キャリコ病の病原となるウイルスを伝搬する。
(9)ワタアブラムシは下位葉に寄生するので、散布液量を多くするとともに、倒伏や過繁茂にならないようにする。
(10)エンセダン乳剤はてん菜でヨトウガの1化期に散布すると薬害を生ずる恐れがあるので、隣接するてん菜畑に飛散しないように注意する。
7.ヨトウガ
アブラムシ防除に登録のあるオルトラン水和剤、エンセダン乳剤、サイハロン水和剤、テルスター水和剤が効果がある。
抵抗性品種の作付けにより、大産地では被害許容密度まで低下してきているが、汚染面積は他の線虫同様に拡大しつつあるので、一般消費者を含めた注意が必要である。
ネマトリン粉剤使用の場合、植付前に所定量をほ場全面に均一に散布し、深さ20cm程度の土壌と十分混和する。散布が不均一だったり、混和が不十分だと効果不足や薬害を生じることがあるので注意する。単用での使用を原則とするが、やむをえず石灰やアルカり性肥料と同時に使用する場合は、速やかに土壌と混和する。
モーキヤップ3MC粉剤使用の際は、石灰などアルカり性肥料との同時施用は避け、少なくとも本剤のl週間前に施用する。
春作、夏作に普BのD−D剤を使用する場合は、地温によって異なるが、一般にかん注後10日間おいてガス抜きを行い、その後10〜15日経て植付する。かん往時の地温は一般に10℃以上の時か望ましい。ガス抜きが不十分な場合は生育遅延をおこすことがあるので、特に処理後の期間を短縮しないようにしてガス抜きも完全にする。
この外、耕種的には次の注意が必要である。
(1)抵抗性品種を組み入れた適正な輪作。
(2)土壌検診による発生実態の把握と発生密度に応じた防除による密度の抵下をはかる。
(3)線虫棲息土壌の付着した塊茎等の移動の禁止。
(4)野ら生えいもの除去。
(5)発生地域では、使用後の農機具等の洗濯、ばれいしょ等の農産加工施設等における遊離土の焼土処理を行う。
(6)遊離土を焼土処理する場合は土壌水分の含有率を30%前後とし、80℃の温度をもって処理し堆積保温する。処理した土壌は、発生地域以外へ移動しない。
(7)未発生地域では、植物検診等を実施し、早期発見に努めるとともに適正な輪作を行う。
9.キタネコブセンチュウ
全国に分布し、九州の高原野菜などで広がりつつあることが判ってきた。細根に小型で丸いこぶを生じ、このこぶから多数の小さい根が分岐しているもの。
じゃがいもの連作、過作、てん菜、大豆、小豆、にんじん、ごぼう、トマト、なす、クローバーなどをできるだけ避け、麦類、とうもろこしなどのイネ科作物、すいか、アスパラガス、さつまいもの作付け比率を高める。燕麦の「ヘイオーツ」、「サイヤ−」の栽培も有効である。
バイデートL粒剤、ネマトリン粒剤などの土壌混和が有効である。
塊茎外部に寄生して腐敗や褐変をひきおこす。寄主範囲は、ニンニクなど幅広い。
バイデートL粒剤、ネマトリン粒剤などの土壌混和が有効である。
北海道以外で発生している。塊茎では、黒褐色の小斑点を生じ、やがて周囲が少し陥没していき、しだいに乾腐ないし陥没腐敗しいてく。
バイデートL粒剤、ネマトリン粒剤などの土壌混和が有効である。
この害虫は温暖を好み、東北地方が北限と言われている。しかし、関東以南産のものと同一場所に保管しているところなどでは、目に黒い糞状のものが見られるようになることがあるので十分な注意が要る。
(1)茎葉の防除
温暖なところの発生地では、劇Bランネート45が使われてるところがあり、普Aオルトランも効果がある。
(2)貯蔵ばれいしょの防除(くん蒸方法)
オゾン層破壊の原因物質であるメチルブロマイドを用い、倉庫・天幕の内容積10m3当たり485g使い、気温28℃以上の時1.5時間、15〜28℃の時は2.5時間、10〜15℃の時は3.5時間くん蒸する。
http://potato-museum.jrt.gr.jp/sindant.html の後半のno.79 に画像あり。