ポテトエッセイ第115話
このパラドックスは有名な話。パラドックスとはある前提に対して、全く違う
(しかしどちらも誤りではない)方向性から、お互いに矛盾し合うが、どちら
も正しく思える結論を導き出してしまう現象のこと。
パラドックスは昔からある話ですが、このポテトと関連つけたものは17世紀以降でしようか。
このポテトパラドックスについては、
英語版ウィキペディア( https://en.wikipedia.org/wiki/Potato_paradox )に
も次のように載っています。
Fred brings home 100 lbs of potatoes, which (being purely mathematical
potatoes) consist of 99 percent water. He then leaves them outside
overnight so that they consist of 98 percent water. What is their new
weight? The surprising answer is 50 lbs.
これを要約しますと、
「100ポンドのポテトを買いました。(実際には存在しないが、計算上の)99%水
分のポテトを乾燥させて、水分が98%となる様に調整したら、意外にも重量が
50ポンドになった。」
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ここで 考える時間 (^_-)-☆
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1個1ポンドとして考えてみましょう。100個すべてが水分99%から98%になりま
すと、ポテトの数は変わりません(当たり前)。水の重さで考えると、当初ポテ
ト100ポンドの99%つまり99ポンドでしたが、98%になった時点で重量50ポンド
の98%だから49ポンド。つまり水分は99-49=50ポンド減ったことになるが、ポ
テトの数と固形物は維持されています。
総固形物で考えますと、当初100ポンドの1%で1ポンドあり、50ポンドになっ
てからの固形物はその2%なのでやはり1ポンド。固形物は減っていません。減ったのは水だけ。
ポテト50個が消失したと錯覚しそうな問題でした。
パラドックスというより、直観とは違うと感じさせてくれる問題でした。
暇つぶしに次に本当のパラドックス。
ナイル川の河岸で、人食いワニが男の子をさらっていこうとした。男の子の母
親はワニに対して「子供を返して」。と懇願した。するとワニは「自分がこれ
から何をしようとしているのかを当てたら子供を返してやろう、はずれたらこ
の子を食べる」。と答えた。
もしここで、母親が「あなたは私の子供を食べるでしょう」と言えばパラ
ドックスが発生してしまう。もしそれが正解なら、ワニは子供を返さなければ
ならないわけだが、同時に「子供を食べなければならない」というパラドック
スが発生するのだ。
もし不正解なら、ワニは子供を食べても良いことになる。しかしそこで食
べると、結果的に母親の予想は正しかった事になるため、矛盾にぶつかる。
(この出典 http://karapaia.livedoor.biz/archives/52182078.html )