子供の科学 でんぷんとぶどう糖

*.長くちょぞうするとどうして甘くなるのですか

 太陽光の下、ジャガイモの緑の葉の中でつくられたでん粉は、夜冷えるとぶどう糖に細分され茎の中を通り、土中の芋に蓄えられ、そこでまたでん粉に戻ります。このため、未熟な内はぶどう糖が比較的多く含まれていますが、茎葉の緑がほとんどなくなった時期(黄変期)にはぶどう糖がもっとも減り、でん粉が一番多い状態になっています。
 このぶどう糖の少ない時期にチップスに揚げるとカラーが一番よいゴールトになります。
 『ワセシロ』は早期にぶどう糖を減らす性質があるため、チップス工場の早期操業時(新ジャガ)に使われます。どの品種も貯蔵期間の経過とともにぶどう糖をしだいに増やしていきます。逆に言うと、でん粉が減っていきます。なお、芋の呼吸量からみても黄変期(収穫期)が最も少ない。
ぶどう糖の含量は貯蔵とともに増えますが、内生休眠が終了して、室温などに置くと容易に萌芽してくる時期(萌芽期)からいっそう急に増加し、呼吸などに使われます。
 休眠中にあっても、芋を低温下におきますと、休眠の解除とは無関係にでん粉の分解と蔗糖の増加がみられます。そしてこの蔗糖(シュクロース)は容易にぶどう糖(グルコース)と果糖(フラクトース)になります。
 「甘みの素は焦げのもと」と言われますように、このようにグルコースが増えてきますとチップスカラーがこげ色になりやすいので、この抑制のため10℃を超える高温に貯蔵します。そうすると、萌芽してきます。その結果芋同志が芽でからまったり、しわしわとなり、減耗してきます。このため、休眠が長めで、比較的低温でも糖分が増加し難い品種の開発が望まれています。この目的に添って『ノースチップ』、『    (P982)』などが誕生しました。
(業務用として甘みが増えてもかまわないから、萌芽を抑えたいときは2℃ほどにします(強制休眠)。家庭ではサツマイモより10℃低く、光を当てずに保管するのがよい。)
 【ぶどう糖はジャガイモの芋にかぎらず、自然界に最も多く存在する糖で、ぶどうなどの果実や蜂蜜に多く含まれます。血液中にも、血糖(ぶどう糖)として含まれまています。単糖類(グルコース、フラクトース、ガラクトース)の1つです。ジャガイモの糖分(主としてグルコース)を簡単に計るには、ジャガイモを切断して糖尿病の尿検査紙を基部にはさんで色をみるとよい。
 でん粉・せんい素(セルロース)・たんぱく質などは高分子物質であり、それぞれの分子同士が強く引き合い、自然の状態では互いに寄り集まって一定の配列をつくり、さらにまた規則的に配列する性質をもっています。】
(*注) もっと詳しいことを知りたい父兄向きのジャンプ先、
澱粉価/澱粉含有率/澱粉用品種の条件/「コナフブキ」澱粉の特性 /澱粉測定装置 /何故でんぷんをたくわえるの /お好み焼き

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