ビタミン | 特徴・作用など | 不足すれば、など |
カロテノイド (ビタミンA) | 視覚に好影響。成長促進、免疫機能を高める。小腸でビタミンA(レチノール)に変化 | 不足で夜盲症、成長阻害。ご飯には無。 キタアカリ、とうや、花標津などの黄肉色品種のみ含有。 ジャガイモのカロテノイドとしてはキサントフィル類(Violaxanthin,Zeaxanthin,Lutein)が多い |
B1(チアミン) | 糖質をエネルギーに転化して代謝を促進。 | 不足すると脚気、食欲不振、肩凝り。ご飯の約3倍も含む |
B2(リボフラボン) | 脂質、アミノ酸、炭水化物の代謝に役立つ。 酸化還元反応に関与 | 不足すると生長止まり、体力が減退。皮膚炎。発育盛りの子供に必要。ご飯の3倍 |
ナイアシン(B3,ニコチン酸) | 多くの酵素を補助する作用がある糖質、脂質、蛋白質を代謝する酵素に不可欠 | 欠乏するとペラグラという皮膚病、脳神経に傷害。ご飯の約4倍もある |
C(アスコルビン酸) | 免疫力増強、コラーゲンの合成を促進。かぜに罹りにくい | 不足すると壊血病、歯肉炎、貧血。昔大航海を支えた。 キタアカリなどに多い。ご飯には無いもの |
パントテン酸(B5) | 副腎を強化してストレスに強くなる。正常な成長。善玉コレステロールの増加 | 不足すると居眠り。怒りっぼい。動脈硬化。髪の艶なく、食欲不振。ご飯より多い0.37mg含有。 |
B6(ピリドキシン) | 蛋白質の代謝を促す。アレルギーや糖尿病の改善にも役立つ | 不足すると皮膚炎などに。含有は野菜のトップクラス。ご飯程度含有。 |
葉 酸 | アミノ酸、核酸などの生成に必要。妊娠予定者、野菜嫌い、お酒好きの人におすすめ | 不足で貧血になる、胎児の二分脊椎にも関係。皮に近い部分に多い。ご飯の6倍の18μg含有。 |
ビタミン | 水煮じゃがいも | ご飯 | カロテン(A) | 痕跡 | 0 | チアミン(B1)mg | 0.06 | 0.02 | リボフラビン(B2)mg | 0.03 | 0.01 | ナイアシmg | 0.8 | 0.2 | ピリドキシン(B6) | 0.18 | 0.22 | 葉酸μg | 18 | 3 | パントテン酸(B5)mg | 0.37 | 0.25 | ビタミンC(mg) | 21 | (0) | ビタミンE | 0.1 | 痕跡 |
蛇足1)アルカロイド
ジャガイモが外敵から守るためもっているアルカロイドは、光に当たって緑化した塊茎に多いことがあります。煮てもえぐみが消えず、風味を下げますが、ガン細胞の増殖を抑制することでも知られています。
2)フェノール化合物
塊茎の剥皮又は切断をした後そのままにしておくと、切り口が褐色に変化し、さらに放置しておくと、切断後2〜5時間で黒色に変わっていく。これは、傷ついた細胞が空気にさらされ、ある種のフェノール化合物(クロロゲン酸及びアミノ酸チロシン)からメラニンへの酵素的酸化によって発生したもの。黒ずみ(褐変を)の原因である酸化反応を妨げるには、すぐ水につけて酸素の供給を断つとか、薄い酢水(酸)につけておくとか、加熱で酸化酵素を殺しています。この剥皮褐変は「男爵薯」、「マチルダ」、「とうや」などで多く、嫌われものです。しかし、ポリフェノールには抗酸化作用があり、ガンや心臓疾患の予防に効果があるとされています。人間の体内に病原体を撃退する免疫抗体があるように、植物にも同様のポリフェノールというものがあり、細胞内で有害な酸素との反応を防いでいます。ジャガイモには赤ワインほどの抗酸化物があるわけではないが、飲み過ぎとか食べ過ぎで糖尿病や心臓病の引き金になる心配はありません。
3)ビタミンCの簡易測定
薬局で糖尿病検査紙(細い紙をジャガイモ切り口にはさんでグルコース含有量を測定できる)に似たアスコルビン酸試験紙を買ってきます。ジャガイモ汁を湿らせて、約8秒後の色の変化から含有量がわかります。いくつかのジャガイモを測って平均しますとある程度の数値をつかめます。外の品種とか野菜とも比較してみましょう。