ジャガイモの出てくる 映 画  第10集

浅間和夫
101.『地獄の軍団スクワッド 』 (原題:The siege of firebase Gloria )
 1990年公開、アメリカ。監督:ブライアン・トレンチャード・スミス。
 私が見たテレビ日曜洋画劇場では邦題が『スクワッド/栄光の鉄人軍団』となっていた。
 出演:リー・アーメイ、ロバート・アベヴァロ、ウィングス・ハウザーほか。
 米国製のヴェトナム戦争映画。安物の戦争アクション映画と見られがちだが、元海兵隊員のリー・アーメイが主演のみならずテクニカル・アドバイサー も務める、無名の海兵隊員の寡黙な戦いが描かれる秀作である。
 テト攻勢下、米軍の砦"炎の基地グローリア"は数倍の敵兵力に囲まれ、無線機が壊れ、絶対絶命の危機にあった。
 最初は敵を引きつけ、そしてショートバーストやセミ・オートで静かに敵を殺すなど着実に敵を倒しているのだが、解放軍兵士が次から次へと寄せてくる。この映画は、ただのアクションだけが売りの戦争アクションではなかったのだ。兵士・下士官のやりとりには取り付かれるファンも多いことだろう。特にハフナー上級曹長役のリー・アーメイ。彼は「フルメタルジャケット」の教官役で有名な人がいい。
 そして私には次の会話が一番。
凄絶な戦いの中、孤立した陣地にヘリコプターが着く、
A「何をもってくるか」
B「食糧、無線機、弾薬。海兵隊もだ」
A「ポテトフライも持ってくるかい?」
 と、冷静な冗談。アメリカ人は日本のポテトチップ以上にフレンチフライが 大好きなのだ。

102.『しあわせの隠れ場所 』 (原題:The Blind Side )
 2009年、アメリカ・監督:ジョン・リー・ハンコツク。
 雨の中暖かい体育館で過ごそうと、一人で歩いているマイケル(クイントン ・アーロン)をテューイ家族が見かける。見かねたリー・アン・テューイ(サン ドラ・ブロツク)がマイケルを自宅に泊めてあげる。翌日は感謝祭だが、皆バ ラバに大皿にポテトサラダ、パンなど持ってテレビのサッカーに見入ってい る。リーは全員をテーブルに着かせ、マイケルを迎えた朝食とする。テーブル にもポテトサラダが見えた。
 マイケルは親から絵本を読んでもらったことがなく、勉強の仕方が分らず、 IQや学力は低かったが、“運動能力”と“保護能力”が高いと評価されてい た。静かで、心優しい性格であり、家族全員から受け入れられた。
 夫はファストフード店をたくさん経営する実業家。皆でフットボール選手に 育てようと心を一つにする。幼いSJ・テューイがマイケルの自宅コーチにな る。マイケルは一歩づつ練習メニューをこなしていく。
 マイケルの技がアップしたのを確認できたある夜、リーが寝床で無意識に微 笑んでいた。わが子のいいところを見つけた母の満足感と幸福感に浸ったの だ。こんなシーンもあり、家族で見る映画としてお勧めしたい映画である。マ イケルを変えただけでなく、彼女もより素晴らしく変わったのだ。
 マイケルはリー・アンに運転免許が欲しいとお願いします。理由は身分証明 書が欲しかったからです。新車を買ってもらって、ノリノリでSJと買い物に出 かけて、急に出てきた車と事故を起こす。マイケルの保護能力のおかげでSJは 大怪我せずに済む。
 SJがマイケルの働きにより、逆転勝利を果たした試合をビデオにとって、有 名大学に映像を送ってやる。多数の大学からオファーを受けるが、奨学金を受 けるには学力の成績が足りない。リー・アンは家庭教師を頼んだり、ショーンのアドバイスで大学入学可能な成績に達することができる。
 いろいろあったが、最終的にテューイ夫妻とスーが行っていたミシシッピ大 学に行くことになり、その後、2009年の NFLドラフト1巡目でボルチモア・レ イブンズに指名されて入団することができた。
 原作『Evolution of a Game』があり、そこでは本人とアメフを中心に描か れている。しかしこの映画では彼の里親になったテューイ家の主婦リー・アン を主人公にし、脚色が加えられている。 題名の『The Blind Side』はクォーターバックの利き手逆側の、死角になりやすいサイドを言い、高い能力を求められるところ。

 わが国のポテトサラダには、概してホクホク系の「男爵薯」、「キタアカ リ」(ビタミンCが多い)、「マチルダ」などが使われ、業務用では大きて目の浅い「さやか」や「きたかむい」が好まれている。

103.『女神が家(ウチ)にやってきた 』 (原題:Bringing down The House )
 弁護士のピーター・サンダーソン(コメディアンのスティーブ・マーテイン)は、秩序を重んじる生真面目で仕事中毒な男。妻と2人の子供はそんな彼に愛想を尽かして家を出ていってしまった。以来、自分の落ち度に気づくことなく、2年間ずっと独り身だった彼は、いつしか寂しさを紛らわすために出会い系サイトのチャットにハマっていった。やがて彼は、そのチャットで知り合った白人女性レポーターで知的美人の弁護士と思っていたシャーリーン(クイ−ン・ラティファ)と初デートをすることに。
だがデート当日、写真の女性とは似ても似つかない肥えたアフリカ系脱獄囚がやってくる。すぐに彼女を警察に引き渡そうとするピーターだったが、彼女は必死に自らの無実を主張する。
 彼は子供二人を預からねばならず、ゆっくり対応できない。女は強盗容疑の濡れ衣を晴らしてもらいたい、という目的があり、去ってくれない。大富豪の老マダム(ローレンス・オリビエとヴィヴィアン・リーの後添として結婚したプローライトが演ずる)が訪問してきたために、シャリーンをメイドに化けてもらい、マダムに食事を振舞うことになる。アフリカ系女のつくったのは甘くて脂こく、しかも量が多い。コーン・ブレッド、フライド・チキン、そして小生期待のマッシュ・ポテトとなるが、老マダムは南部出身であったため口にあう。喜んだのはいいが、ニガーなどの差別用語が飛び交い、シャリーンの破天荒なペースに振り回されます。
 恋愛をテーマにしたコメディで、男女の心の機微を中心にストーリーが展開する作品であり、 笑いまくるコメディもいいが、ギリギリでハメを外さないくすくすコメディ映画もあっていい、そんな人(女性?)に見てほしい映画。今回のマッシュポテトのように、ジャガイモは料理の主役ではいが、肉・乳製品などいろいろな料理に使える"組合せの王様"と言えましょう。

104.『トゥルー・クライム 』  (原題:True Crime )
 1999、アメリカ、。監督:クリント・イーストウッド
アンドリュー・クラヴァン(Andrew Klavan)原作のサスペンス小説『真夜中の死線』(True Crime, 1995年)を映画化したもの。
スティーブ・エベレット(クリント・イーストウッド)はかつては敏腕新聞記だったが、酒と女で、現在はカリフォルニアのオークランド・トリビューン紙に勤め、閑職に追いやられている。
 ある夜、若い同僚の交通事故による急死したため、翌朝急遽その日死刑執行予定の殺人犯フランク・ビーチャムの最後のインタビューと刑の執行を取材することになった。フランクは犯行を認めていなく、妻子も同じだ。
 彼は事件現場のコンビニを訪れ、当時入り口にあったポテトチップ・ラックが、目隠しとなり邪魔なので奥にずらした、と店員が説明。目撃者のポーターハウスとも会うが、銃向きなどが曖昧で、見たという証言は嘘だと気づいた。
 次に刑務所へ赴き、インタビューの名目でビーチャムから話を聞いた。それによると、あの日彼はステーキソースを買いに店に行き、被害者の女性と会い、奥のトイレを借りている間に、真犯人と彼女の言い争う声と銃声を聞いた。トイレから出ると、真犯人が裏口から出て行き、彼女が倒れていた。彼は必死に彼女の蘇生を試みるが、そこへポーターハウスが入ってきたのだった。介護の血も付いていたので、りっぱな犯人にされてしまったと言うわけ。
 無実のビーチャムを救うため、事件の洗い直しに取りかかるが、死刑執行までわずか12時間。担当検事に話を聞きに行くが、まったく相手にされない。  事故死した記者のミシェルの家を訪ね、取材資料を調べているうちに、もう一人の目撃者年の名前と住所が判明。エベレットはそのウォレンという少年の家を訪ねたが、祖母が出てきて、ウォレンは3年前に刺し殺されたと知る。
 死刑前最後の晩餐(スペシャルミール)は、何とアメリカらしいフライド・ポテトであると出た。多くは前日とかにあるようだが、ほぼ希望する食事を食べることができる。人気はアメリカらしくハンバーガーとステーキであり、フライド・ポテトはこれらと一緒とかフライドチキンと合わせて希望する人が多く、ハッシュド・ポテトや肉汁をかけたマッシュ・ポテトを望む人もいるようだ。また、映画の死刑は毒ガスではなく、手足を固定してから薬物注射で痛みを無くし、筋弛緩剤などを打つ予定だ。
 一方エベレットは妻子から見放され、酒場で事件の番組を見ていた。被害者の生前の写真が映し出され、彼女の胸にはロケットがかかっていた。ウォレンの祖母が持っていたロケットと同じものだった。その瞬間、エベレットには事件の真相が分かった。ウォレンは被害者のイニシャルと祖母のそれが同じなので、奪ったものをプレゼントにしていたと推定。死刑執行まであとわずか30分。エベレットは車を飛ばしてウォレンの家に向かう。刑務所ではビーチャムの死刑執行の準備が粛々と進んでいた。
 ウォレンの祖母は孫からもらったと告白した。祖母を車に乗せ、州知事の家へ急行する。しかし刑務所ではビーチャムの死刑執行が始まった。腕からの薬の注入で昏睡に陥る。続いてパンクロニウムの注入が始まったところで、知事から電話がかかる。所長らは緊急停止スイッチを押し、執行室に飛び込む。  クリスマスの夜、エベレットはひとりポッチで街に。そこで家族連れのビーチャムの姿を見かけ、遠くからお互いに目礼を送り合い、二人は別れる。

105.『 サルサ! 』  (原題:Salsa! )
1999年、フランス/スペイン。 監督: ジョイス・シャルマン・ブニュエル
 元々『サルサ』とはソースを意味するスペイン語です。しかしこの映画はそれとは無関係であり、70年代前後、ニューヨークに住むプエトリコ人とか亡命してきたキューバ人達が、自分たちの故郷の音楽にソウル、ロックなどを融合させて生み出した情熱的ラテン音楽のことです。
 主人公である若き天才クラシックピアニスト、レミ(ヴァンサン・ルクール)はクラシック・ピアニストとしての未来を捨て、キューバ音楽をやりたくて、肌をチョコレート色に焼くほどの人。ショパンを捨てて彼が選んだのは、情熱の音楽サルサだった。ところが、パリのラテンバンドが望んでいるのは本物のキューバ人。
 レミはキューバ人を装ってモンゴと名乗り、キューバ・バーでサルサのダンス教師をするが、彼の教室へ通う良家のパリジェンヌでシャイなナタリー(クリスティ・アンヌ・グゥ)が現れて恋に落ちてしまう。
 レミはナタリー家のディナーに招かれ、おばあさんなどの暖かな眼差しはあるものの、貧しいキューバ人への同情も注がれており、ナタリーが失礼さに腹を立てる。
 その直前のシーンで婚約者の隣のナタリーから「さあ、ジャガイモ食べて」と画面右の彼に次々と取ってくれるのを拝見できました。
 自分を偽ってまで、やりたいことに立ち向かう主人公が、「中身」の大切さに気づくというテーマに、ナタリーとのロマンス、さらにはナタリーの祖母の初恋の相手がレミを可愛がってくれていた人だった。ナタリーの婚約者から横やりがあったり、レミの身元を告白しようとしても、ナタリーの情熱でひと時を失ったり・・・ 最後はナタリーがコンテストで決勝のダンスを棒に振って、やはりレミへと走り、彼がラテン音楽演奏中の広場に行き、ラブ・ストーリーのエンディグとなるのであった。

106.『 シェーン 』  (原題:Shane )
 1953年、アメリカ映画。監督:ジョージ・スティーヴンス。
 主演アラン・ラッドの名演が見られる西部劇史上不朽の名作。ジャック・バランスの悪役ぶり、流れ者のガンマンの活躍を揃えた西部劇の典型を引き継ぎながら、開拓民と牧場主の対立、少年の心に映る英雄像などを丁寧なリアリズム描写で情緒豊かな西部を謳い上げる。
 ビクター・ヤングの主題歌「遥かなる山の呼び声」と共に墓場での『シェーン、カムバック』のラストシーンが脳裏に残った。
 そしてジャガイモだいすきな人間にはspudという言葉も記憶に残った。
 この映画の中で、シェーンに向かってルーフと言う男が次のように言った。
We'll all start hoein'spud.
Is that it ?
このスパッドspudという言葉は、気楽な会話のときのジャガイモをさすもの。もともと、小鍬またはジャガイモを掘るために使ったスペード状の鋤から転化したものなのだが、Society of the prevention of an unwholesome diet (不健康な食物を阻止する会)の略でもある。実はこの会はジャガイモがイギリスにはいってくるのに反対したグループを言ったものであった。
 ワイオミング州の西部に広がる高原、グランドティートン山が前にそびえ立っているジョンソン郡の開拓地では、牧畜業者と農民との間でいがみ合いが続いていた。南北戦争後に政府は西部開拓を積極的に進めるために、入植した農民が5年間耕作すると無償で一定の土地が得られる法律があったが、農民が新しい土地に開墾に入るとそこに牧場主がいて、各地で争いが生じていた。
 この土地では悪徳牧畜業者のライカー一味の暴虐に農民たちが苦しめられていた。ある日、この土地にやってきた流れ者のシェーン(アラン・ラッド )は、ある農家に辿り着き、息子のジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)と仲良くなり、この家に留まる。そしてジョーやその息子ジョーイと友情を結ぶシェーンだったが、ジョーの妻マリアン(ジーン・アーサー )は彼に惹かれ、またシェーンも彼女に惹かれてゆく。そして農民たちとも親しくなっていった。
 早打ちガンマンのシェーンは抗争に終止符をうつため、一人でライカーらに会いに行く。農民たちも結束して立ち向かい、最後は彼らの希望どおりになる。シェーンは脇腹に傷を負ったまま馬に跨りワイオミングの山へと去っていった。必死に呼びかけるジョーイの声はやがて「シェーン!!カムバック!!」と山にこだまするのであった。

107.名探偵ポワロ『ヒッコリー・ロードの殺人』(原題:Hickory Dickory Dock) 
1995、イギリス。監督:アンドリュー・グリーブ イギリス生まれのミステリーの女王アガサ・クリスティによって1955年に発表されたエルキュール・ ポアロシリーズの長編推理小説によっている。
 ミス・レモンの 姉、ハバード夫人が住み込み管理人をしている学生寮で謎の盗難事件が頻発。無くなったものは、靴の片方だけ、スカーフ、電球、ホウ酸、聴診器、リュックサックなどなど…警察を呼ぶほど高級なものが盗まれているわけでもないため、探偵ポワロに相談する。そこで、ピンと尖った口髭がトレードマークのポワロが捜査に乗り出す。
 探偵ものは、ストーリーが複雑であり、真正面に解説すると長くなり、途中視聴者の想像を外す肩透かしがあったり、どんでん返しがあったりすることが多い。これらのネタばれまで書いてしまうと、これから見る人の興味を半減させることになる。そこで、超大雑把に書くことにする。
 売って金になる代物がほとんど無いことから、窃盗が目的ではないことが見抜かれ、学生寮のオーナー、ニコレティスがダイヤの密輸をしていることが判ってくる。そのニコルティスは共犯者と思われる何者かに殺される。科学専攻のシーリア、文学専攻のサリー、歴史学専攻のナイジェル、医学生のレナード、関税局の捜査官、大物政治家スタンリー卿とその息子ナイジェルらが出ており、昔スタンリーを追っていたというジャップ警部がポワロに協力する。  これらの絡み、解決へのあらすじは省略し、結末近いエピソードのみ紹介することとする。奥さんが旅行に行ってしまったジャップ警部がポワロ宅に泊まることになる。ポワロの御自慢の手料理が豚足で、口に合わない。見かねたミス・レモンが腕を振るってくれるが、今度は魚と野菜の簡単な料理で、量も少なすぎた。最後はジャップ警部がお礼も兼ねてポアロを自宅に招待。そこで出されるのがこれがイギリス人の食い物だと、レバー団子、マッシュポテト、茹で豆、デザートにはグッチプデングであった。美食家ポアロの口には不満足であり、レバー団子はアレルギーになるからダメと避け、日本人なら食べられないほど大量にあったマッシュポテトを中心にいただいていた。
 タイトルは一味変わっている。『Hickory Dickory Dock』は、子供向けの遊び歌ナーサリーライム(マザーグース)の一つだ。 歌詞の内容は、 ネズミが時計をかけ登り、時計が一時の鐘を鳴らすと、ネズミが下に降りる...、といった 簡単なもの。

108.『ホーム・アローン 』  (原題:Home Alone )
1990年、アメリカ。監督:クリス・コロンバス。
 シカゴに住む大家族マカリスター家は、クリスマスの家族旅行としてパリーに行くことになっていた。しかし深夜に起きた停電で目覚まし時計がリセットされてしまう。全員が寝坊した上、急いで空港へと向かったため、前日の兄とのトラブルと寝小便するくせのある子とベットを共にすることを嫌ったため屋根裏部屋で寝ていたケビン・マカリスター(マコーレー・カルキン)少年が1人家に取り残されてしまう。
 ケビンはうるさい家族がいなくなった事を喜び、悠々自適の一人暮らしを満喫する。しかし、その家を2人組の泥棒、ハリー・ライム(ジョー・ペシ)とマーヴ・マーチャント(ダニエル・スターン)が狙っていた。ケビンは頭脳明晰、家を泥棒から守るため、爆竹、熱いアイロンやビデオといった日用品を用いて家中にトラップを仕掛け、泥棒たちを迎え撃つ...。
 貴方はクリスマス映画と言えば、何を思い浮かべるか。アメリカではこの『ホーム・アローン』が人気が高く、5までシリーズが作られることになった。子役のマコーレー・カルキンは、幼くとも外敵から家を守るべだという西部開拓期以来の精神を受け継いだような活躍をし、一躍スターダムにのし上がることができた。
 私がこの映画を取り上げたのは、撮影の裏話に興味があったためである。この場面で雪が降る、と脚本にあっても天候は神頼みとなることが多い。そこでどう解決したか。脚本・制作を担当したジョン・ヒューズ(後、1996年柔道アメリカ代表)は、ポテトフレークにお湯を混ぜるとマッシュポテトができることに着目し、ポテトフレークで雪を作り、特別注文した扇風機を使って入念にロケ地に散布することにした。映画が終わりに近い数分間は窓越しに雪が降るなどの雰囲気を出していた。厳密には本物とは違うが、視聴者には違和感なく映ったかどうか、折を見て御確認いただきたい。
 映画の最初からポテトフレークによる本格的ニセ雪を見たい方は、『ホーム・アローン 3 』(Home Alone 3)を御覧いただきたい。これはある寒い冬のシカゴを舞台に始まるため、冬景色をたっぷり楽しめる。ただし、ストーリーは継続性が無く、主役の子役も3からはアレックス・D・リンツに交代している。

109.『トレインスポッティング 』  (原題:Trainspotting)
1996、イギリス。監督:ダニー・ボイル
アーヴィン・ウェルシュの同名小説を映画化したもの。Trainspotterとは列車マニアとか鉄道オタクのことである。スコットランドの首都エディンバラの北部にリースと呼ばれる地域がある。昔ここに鉄道の操車場があり、廃線後、いつしかヤク中の人々が集い、ドラッグの売買などで知られる場所となった時期があり、ローカルなジョークで「奴らはトレインスポッティングだ」と呼ぶようになったらしい。
 ヘロイン中毒のレントン(ユアン・マクレガー、声:平田広明)の周りには、人のいい"スパッド"(spud、ジャガイモ)、モテモテで麻薬中毒患者のシック・ボーイ、アル中で喧嘩中毒のベグビーらがいた。彼らと怠惰な生活を送り、ナンパや軽犯罪を繰り返していた。レントンは何度目かの挑戦となる「禁ヤク」に挑む。しかしすぐに仲間に頼ってしまい、いつもの生活へ戻ってしまう。ヘロインそして強盗を繰り返しているある日、レントンはとうとう捕まってしまう。過去に禁ヤクをしていた事もあり執行猶予で済んだレントン。彼は今度こそと家族の協力を借り薬を断つことにした。必死の麻薬治療を受けた彼は、ひと旗揚げようとロンドンで仕事を見つけ真っ当な生活を目指す。しかし、未だ更生しないベグビーらがそんな彼を追いかけてきた…。
 ユエン・ブレムナーが演じているダニエル・マーフィことSpud(いも、ジャガイモのくだけた呼び名)と呼ばれる男は、気は弱いが、かわいらしく、映画の最後には、一番ラッキーな結末を迎えることとなる人であった。
 イギリス映画なので、当然『フイッシュ & チップス』(Fish and Chips)を食べるシーンがある。街角で売られたりして人気がある。フイッシュはベロンとして大きく、タラやサーモンが使われる。イキリスでチップスとはフレンチフライのこと。
 この映画つくりのため、俳優ユアン・マクレガーはヘロインに依存し痩せこ けたレントンを演じるため、11kgもの減量をした。2か月間、ビールではなく ワインとジンを選び、食べ物は全て直火で焼いたそうだ。この努力などでブレ イク作品にできた。

 シエクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』(1602年)の第5幕5場で、フォルスタフという人物が、いかにも気があるような素振りの手紙を書いたフォード夫人に誘われ、柏の木の下に来て、『黒い尻尾(シッポ)の雌鹿かい?(天を仰いで)ポテト(ここでは催淫効果があると思われていたサツマイモ)の雨を降らせろ! 』等と叫ぶ場面があったように、16世紀末ころまでのイギリスではサツマイモとジャガイモの区別が明瞭ではなかった。16世紀末になり、C.ジェカードがサツマイモをcommon potatoes、ジャガイモをvirinia potatoesと区別した。アメリカではsweet potatoに対しwhite poato又はIrish potatoと呼ぶことが多い。

ジャガイモ エッセイ 16

110.『フィールド・オブ・ドリームス』(原題:Field of Dreams)
1989年、アメリカ。 監督:フィル・アルデン・ロビンソン
ウイリアム・パトリック・キンセラの小説『シューレス・ジョー』が原作。  アイオワ州の田舎町に住むレイ・キンセラ(ケビン・コスナー)・妻アニー(エイミー・マディガン)家族はトウモロコシを中心とした農業を営んでいた。一見普通の貧乏農家。ただ、若い頃にアイルランド系の父親と口論の末に家を飛び出し、以来生涯に一度も父の顔を見ることも、口をきく事すらもなかったことを心の隅で悔やんでいる。
 ある日の夕方、彼はトウモロコシ畑を歩いているとふと不思議なささやき声("If you build it, he will come." = 「それを造れば、彼が来る」)を耳にする。その声に導かれるように自力で野球場を造ろうとする。作くれば“シューレス・ジョー”というベーブルースの師とも言うべき八百長を嫌いで球界を永久追放され、失意のうちに生涯を終えた男に会えると確信するようになる。アニーの了解をとりつけたものの、周囲の人々から馬鹿にされつつも家の前のトウモロコシ畑をつぶして、ナイターもできる小さな野球場を造り上げる。
 しばらくたったある日の晩、娘カリンが夕闇に動くその男を球場に見つける。男が消えるとき、「彼の苦痛を癒(いや)せ」の声が聞こえ、彼とは、その苦痛とは、調べる。PTAで、ネオ・ファシズムの女が「アンネの日記」まで悪書として追放すべきと主張するのにアニーが反対する。そのことから、声の主は野球の不正と戦ったレイの父のことなどを書き、市民権運動をしていたものの自ら著作活動を停止している黒人テレンス・マンと判り、金のないのにボストンまで出かけ、会うことにする。
 天の声を信じた主人公の周りのみに可視的奇跡が起き、最後は若い頃の父親にも会うという感動が押し寄せる。60年代をキーワードとして夢や希望、家族の絆といった、アメリカで讃えられる美徳を描き上げたファンタジー映画である。
 小生が期待するジャガイモのあるシーンは、TV放映版では、町の小学校PTA集会から帰ってからの食卓に出てきた。アニーが『ポテトいる?』と言いながら大きな袋からフレンチフライを大皿に出すものであった。
 特に野球が広く親しまれている国においてヒットし、アメリカでは第62回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、作曲賞にノミネートされた。また日本では、第33回ブルーリボン賞や第14回日本アカデミー賞で最優秀外国語作品賞を受賞。

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11. 『男はつらいよ 忘れな草』(粉ふき)
44.『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』(粉ふき)
100.『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』(背景に羊蹄山、栽培風景)
110.『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』(フライドポテト、煮っころがし)


http://potato-museum.jrt.gr.jp/cinema10.html ジャガイモ博物館。ジャガイ モと映画 10

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